モンテッラはやっぱり名誉会長の“現場介入”に耐えていた! 2トップ採用などを要求され…

2017年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官には名誉会長から電話で「小言」が続くが…。

裏ではベルルスコーニ名誉会長(左)の小言に耐えているモンテッラ監督(右)。やはりミランを率いるのは一筋縄ではいかない。写真:Alberto LINGRIA

 ミランのオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニの現場介入は、今に始まったことではない。今シーズンから指揮を執るヴィンチェンツォ・モンテッラ監督も、ある程度の覚悟はしていただろう。だが、ようやく復活の兆しが見え、しかも約5年半ぶりにタイトルを取り戻したタイミングで、名誉会長から"小言"を食らうとは思わなかったのではないだろうか。
 
 現地時間2月13日のイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙によると、ベルルスコーニ名誉会長が今シーズン、公の場で指揮官の戦い方に苦言を呈したのは一度のみ。昨年11月26日のエンポリ戦(セリエA14節)で4-1と勝利したときだ。
 
 自身が導入した4-3-3が機能し、首位ユベントスに勝点4差の2位タイにつけていたにもかかわらず、名物オーナーのお気に入りである4-3-1-2システムの採用を求められたモンテッラ監督は、内心では苦々しい想いだっただろう。それでも、前任者たちの苦労を考えれば、表向きの口出しが一度だけだったのは不幸中の幸いとも言える。
 
 ところが、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、裏ではオーナーの現場介入が繰り返されていたという。0-1で敗れた12月12日のローマ戦(セリエA16節)以降、ベルルスコーニ名誉会長は戦術やメンバー、2トップへの移行などをモンテッラ監督に電話で何度か主張していたそうだ。
 
 ミランは2016年最後の試合となった12月23日のイタリア・スーパーカップで、PK戦の末にユーベを下し、約5年半ぶりのトロフィーを獲得。しかし、この試合の後もベルルスコーニ名誉会長の"注文"が続いたそうだ。これには、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙も「驚くべきことに…」と報じている。
 
 ただ、ベルルスコーニ名誉会長は今シーズン、プレシーズン初日に姿を見せて以降、ミラネッロ(ミランの練習場)を一度も訪れていない。サン・シーロでの試合観戦も、昨年11月20日のミラノ・ダービーだけだ。
 
 心臓の手術を受けたことで肉体的な負担を考慮する必要があるうえ、中国資本へのクラブ売却正式調印(現状では3月3日の予定)が迫っていることなどが理由だろうか。いずれにしても、モンテッラ監督への"口出し"は電話のみにとどまっている。
 
 そのためモンテッラ監督は、ベルルスコーニ名誉会長の話を受け流す方針を取っているという。表向きは"アドバイス"を聞き、それについて公にすることはなく、しかし自身の信念を貫くということだ。もちろん、現場介入を快く思ってはいないはずだが……。
 
 1月中旬から公式戦5試合白星なしと調子を崩したミランだが、2月8日のボローニャ戦では2人の退場者を出しながらも1-0で気迫の勝利を収めた。
 
 オーナーが再び騒ぎ出さないようにするためにも、このまま連勝街道を突き進みたいところだ。ミランは現地時間2月13日(日本時間2月14日早朝)にラツィオと敵地で対戦する。
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