スコア以上の快勝劇!! リバプールはいかにして好調スパーズを葬り去ったのか

2017年02月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

変幻自在の3トップが敵の鉄壁守備網を――

攻守両面で歯車ががっちり噛み合ったリバプール。マネ(右から2人目)は殊勲の2ゴールを挙げた。(C)Getty Images

 ツキに見放されていたリバプールが、絶好調のトッテナム・ホットスパーを相手に完勝を収めた。
 
 2月11日、プレミアリーグ25節。リーグ戦ここ5試合で2分け3敗と勝ち星がなく、急停止を余儀なくされていたリバプールは、本拠地アンフィールドにスパーズ(トッテナムの愛称)を迎えた。敵は9戦不敗(7勝2分け)と年末から上昇気流に乗って2位を堅持し、1試合平均失点がリーグ最少の0.67と頼みの堅守にも磨きがかかっている。
 
 直前の試合でマンチェスター・ユナイテッドが勝利したため、リバプールは6位にランクダウン。チャンピオンズ・リーグの出場権獲得を最低ノルマに見据える名門にとっては、まさに正念場だ。そんな危機感が選手たちの背中を押したのだろう。キックオフ直後から凄まじい熱量で、ゲーゲンプレスを炸裂させた。
 
 巧妙な位置取りとダイレクトプレーでスパーズDF陣を翻弄したのが、自慢の3トップだ。右にサディオ・マネ、中央にロベルト・フィルミーノ、左にフィリッペ・コウチーニョが基本の立ち位置ながら、彼らは頻繁にポジションチェンジを繰り返し、マークを絞らせない。怒涛の勢いで押し込んでトッテナムの左SBベン・デイビスを混乱に陥れると、鉄壁を誇ってきた敵の最終ラインに致命的なギャップが生まれ、そこをことごとく突いた。
 
 電光石火のショートカウンターが決まったのは、16分。ハイプレスをツボにはめて奪ったボールをすかさずジョルジニオ・ヴァイナルダムが拾い、鋭いロングスルーパスを送る。これに呼応したのがマネだ。対応の遅れたデイビスを難なく振り切り、GKユーゴ・ロリスとの1対1を制した。
 
 さらに138秒後、またしてもセネガル代表ストライカーが輝きを放つ。リバプールは速攻からペナルティーエリア内でアダム・ララーナ、フィルミーノが立て続けに決定打を放ち、ロリスが弾いた球をマネが豪快に蹴り込んだのだ。
 
 前半のうちに2点のリードを奪ったリバプールはその後もマネとコウチーニョがチャンスを掴むなど一方的にゲームを支配。後半はアンカーのジョーダン・ヘンダーソンを中心軸に中盤での守備強度を高め、敵エースのハリー・ケインはCBジョエル・マティプが持ち前のハードチャージで封殺。理想的な選手交代により、悪癖であるゲーム終盤のガス欠も起こさず、難敵相手に快勝を収めた。
 
 ユルゲン・クロップ監督は「プレッシャーは我々のほうにあったが、選手たちはよく乗り越えたと思う。ようやく一息つけたよ」と語り、「選手たちのスピリットに感服した。今日のようなパフォーマンスを維持してさらに上を狙いたい」と意気込んだ。
 
 かたやトッテナムは手痛い一敗を喫した。今シーズンはオープンプレーから7失点しか許していなかったが、よもやの守備の崩れで攻撃にもリズムが生まれず、最後までいいところなく敗れ去った。リバプール戦はここ9試合で白星がなく、プレミアリーグ創設後のアウェーゲームはたったの2回しか勝利していない。文字通りの天敵にして、鬼門である。

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