「トッティやマルディーニの話もしたが…」アンチェロッティがラームの慰留失敗を明かす

2017年02月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕は90%ではなく、100%でこの仕事をやりたい」

引退撤回を求めたというアンチェロッティ(左)。しかし、ラーム(右)の決意は固かった。(C)Getty Images

 突然の現役引退発表に驚いた人も少なくないだろう。バイエルンを率いるカルロ・アンチェロッティ監督も、その決意を知ったときは、同じ心境だったに違いない。だからこそ、主将フィリップ・ラームの説得を試みたのだろう。
 
 ラームは2月7日、今シーズン限りで現役引退すると発表。バイエルンで8度のブンデスリーガ優勝を経験し、ドイツ代表でも2014年のブラジル・ワールドカップで世界王者に輝くなど数々のタイトルを手にしてきた名手が、33歳でスパイクを脱ぐ決意を固めたのだ。
 
 バイエルンと2018年6月までの契約を結んでいたラームは、以前から契約満了後の引退を示唆していた。しかし、契約を1年残して打ち切り、予定を早めて今シーズン終了後にピッチを去るという決断は、世界中のサッカーファンと関係者に大きな衝撃を与えた。
 
 今シーズンからバイエルンの指揮を執るアンチェロッティ監督は、2月9日付のイタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』紙のインタビューで、「残念だが彼が選んだことだ」とコメント。その上で、ラームに翻意を促がしていたと明かしている。
 
「私は彼にずっと話してきたんだ。33歳の現在であれだけのクオリティーとコンディションなら、トップレベルでまだまだやれると言い続けた。しかし、ラームは偉大なプロフェッショナルだった。彼はこう答えたんだよ。『僕は90%ではなく、100%でこの仕事をやりたい』とね」
 
 インタビュアーから、ラームより7歳年上の40歳ながらローマで現役を続けているフランチェスコ・トッティの例を挙げられると、アンチェロッティ監督は「もちろんフランチェスコのことは話したし、(同じく40歳まで現役を続けたパオロ・)マルディーニのことも彼に言って聞かせた。だが、どうしようもなかったんだ」と語った。
 
 トッティやマルディーニのようなより長期のアスリート人生ではなく、傍からは見えないような自身の微妙な衰えに認める格好でユニホームを脱ぐという決断を下したラーム。同じく33歳で現役生活に別れを告げたアンチェロッティ監督も、最後にはその決意を受け入れるしかなかったようだ。
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