降格危機のレスター、「低迷の5大要因」を英メディアが指摘

2017年02月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

なによりも痛かったカンテと敏腕スカウトの退団。

試合中に苛立ちを露わにすることも少なくないヴァーディー(左)。EURO2016参戦などオフシーズンも忙しなく働いたことも影響しているが、本来の輝きからは明らかに遠いパフォーマンスに終始している。 (C) Getty Images

 現地時間2月7日、レスターは「監督への揺るぎないサポートを明確にする」との公式声明を発表。クラウディオ・ラニエリ監督への信頼を強調し、解任報道を否定した。
 
 だが、昨シーズンの奇跡の優勝から一転、今シーズンは現時点で降格圏まで1ポイント差の16位。降格の危機に瀕している事実に変わりはない。低迷の原因はどこにあるのか。イギリスメディア『BTスポーツ』が、5つの理由を挙げている。
 
 同メディアが第一に掲げたのが、エヌゴロ・カンテ(現チェルシー)の退団だ。
 
 相手の攻撃を食い止め、カウンターの起点となり、さらにロベルト・フートとウェズ・モーガンのCBコンビのサポート役としても機能したフランス代表MFの昨夏の退団についてBTスポーツは、「レスターは彼の穴を埋めようとしたが、彼は替えのきかない選手だった」と指摘している。
 
 カンテの穴を埋められなかったのと同様に、夏の補強失敗も低迷の一因として挙げられる。カンテらを見出した敏腕スカウトのスティーブ・ウォルシュを昨夏にエバートンに引き抜かれたレスターは、夏に獲得した選手たちが期待されたほどの活躍を見せていない。
 
 スポルティング・リスボンからクラブ史上最高額の3000万ポンド(約42億円)で獲得したイスラム・スリマニは、才能の片鱗を伺わせることもあるが、金額に見合った活躍ができているかと言われれば懐疑的だ。
 
 ドイツ代表経験もあるGKのロン=ロベルト・ツィーラーは、クリーンシートがわずか1試合のみ。正GKキャスパー・シュマイケルの牙城を崩すには至っていない。
 
 1600万ポンド(約22億4000万円)を投じたアーメド・ムサも開花せず。カンテの穴埋め役として獲得したMFナンパリス・メンディは怪我に苦んでシーズン前半の大半をリハビリに費やし、ルイス・エルナンデスに至っては半年でマラガに売却された。
 
 BTスポーツが3つ目に掲げたのは、アウェーでの成績不振。今シーズンのレスターはアウェーでの12試合で0勝3分け9敗と、いまだ未勝利なのだ。
 
 開幕戦のハルを筆頭に、サンダーランドなど残留を争うチームに敗れたのは何より痛い。ワトフォード、ボーンマス、バーンリーといったチームにも敵地で敗れ、差をつけられてしまった感が否めない。勝点で並ぶスウォンジーと敵地で対戦する次節(2月11日)は、降格を避けるために重要な大一番になることは言うまでもない。

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