まさしく救世主!驚異の勝率を誇るバレンシアの新監督とは

2017年01月26日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

就任直後のリーガ3試合を無敗で乗り切る。

下部組織の若手を起用するなどグアルディオラを想起させる手腕を発揮するボロ。名門復活の行方はこの男の采配に掛かっている。 (C) Getty Images

 バレンシアのチェーザレ・プランデッリ前監督が辞任を表明したのが昨年12月30日。その後を継いで好結果を残しているのが、1月から指揮を執るボロだ。
 
 実はこのボロ、バレンシアでは過去に三度、暫定監督としてチームを率いている。
 
 最初は2007-08シーズンの終盤戦(34~38節)で、二度目が昨シーズン(14節のみ)。三度目となった今シーズンの序盤戦(5~7節)では、開幕4連敗で解任されたパコ・アジェスタランの後釜として、前述のプランデッリが就任するまでの繋ぎ役を担っている。
 
 驚くべきは、その勝率だ。リーガではこれまで12試合で指揮を執り、8勝2分け2敗と66パーセントを超える勝率を誇っている。長く低空飛行が続く近年のバレンシアにおいて、これは驚異とも言える数字。ちなみに、前任者プランデッリのリーガでの勝率は12パーセント強。3か月の在任期間にわずか1勝しかできなかった(1勝3分け4敗)。
 
 バレンシアBで2年間監督を務め(02~04年)、その後はチームの運営部長を務めてきたボロ。これまでも「暫定ではなく正規の監督に」という声は少なくなかったが、クラブ首脳もようやくその優れた手腕に気づいたようだ。今回は"暫定"という扱いではなく、「今シーズン終了までボロがトップチームを率いる」と発表している。
 
 バレンシアで生まれ、地元の名門バレンシアの下部組織で育ち、トップチームでもセンターバックとして約9年間プレーしたボロのクラブに対する思いは強い。就任早々、Bチームに所属する20歳のMFカルロス・ソレールをレギュラーに抜擢した采配などは、バルセロナの監督に就任した当時のジョゼップ・グアルディオラを想起させるものだった。
 
 ボロを取り戻したチームは、アウェーのオサスナ戦を皮切りに、エスパニョール、ビジャレアルと難敵との対戦が続いた1月以降のリーガ3試合を2勝1分けの無敗で乗り切った。
 
 まさしく、バレンシアの救世主。悩める古豪がふたたびリーガの覇権争いを演じる――。そんな日が、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。
 
 
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