後半に強いミラン、2点ビハインドを跳ね返したまでは良かったが…

2017年01月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

ホームのトリノは前半で試合を決めるチャンスもあったが…。

ともに勝つチャンスがあっただけに、痛み分けの一戦となった。写真は同点弾のバッカ(右)と好守連発のハート(下) (C) Getty Images

 1月16日(現地時間)、セリエA第20節が行なわれ、ミランは2-2でトリノと引き分けた。
 
 4日前にコッパ・イタリア5回戦で対戦した両チーム。サン・シーロで行なわれたこの一戦は、ミランが2-1で制していた。
 
 試合は、パレッタがクリアボールを相手選手にぶつけてあわや失点の危機を迎えたり、GKドンナルンマがボールをかぶったりするなど、序盤からミランの守備がバタつく場面が目立つ。トリノはここを突いて、幾度もチャンスを作り出していった。
 
 先制は、やはりトリノ。21分、I・ファルケが右サイドからペナルティーエリアにドリブルで侵入し、マイナスに折り返す。リャイッチのダイレクトシュートはしっかりミートせずに枠を外れるも、軌道上にいたベロッティがすかさず足を伸ばして合わせ、ゴール左隅に決めた。
 
 パスワークと個人の突破がうまく混ざり合ったかたちで先制点を奪ったホームチームは、その5分後に2点目を奪う。
 
 I・ファルケのシュートが相手DFに当たってこぼれたところをオビが好機を迎えるが、これはドンナルンマがブロック。しかし、すかさずベロッティが拾ってI・ファルケに繋ぎ、最後はベナッシがダイレクトで流し込んだ。
 
 立て続けにゴールを許したミランだが、決して防戦一方だったわけではなく、攻撃ではうまくボールを繋いで、幾度も相手ゴール前まで迫る。ただ、トリノの最終ラインの集中力は高く、これを崩すまでには至らなかった。
 
 そして次の得点機は、やはりホームチームにもたらされる。リスタートからの速い攻撃で、SBのバレッカがミラン陣内深くに侵入。ペナルティーエリアに入ったところでアバーテに倒され、PKを獲得したのである。
 
 3点差をつける決定的なチャンス。しかし、リャイッチの正面のキックはGKドンナルンマに読まれ、弾き返された。
 
 2点差を維持したミランは反撃に転じ、スソが33分、38分、41分に好機を迎えたが、わずかに枠を外れたり、GKハートの好セーブに遭ったりして、ゴールネットを揺らすことができない。
 
 44分には、この試合で初めてパスワークでトリノの最終ラインを崩したが、ベルトラッチの決定的なシュートはGK正面に飛び、ミランは点差を詰められないまま、前半を終えた。
 
 前半の出来が悪く、後半は持ち直すというのは今シーズンのミランの特徴だが、この試合でも同様であり、後半は序盤から攻勢を保ち続ける。
 
 しばらくは、堅固な守備ブロックを築いたトリノに対し、長短のパスと個人の突破でこれをこじ開けようとする時間が続いたが、55分に努力は実る。
 
 右サイドを抜け出したアバーテのクロスがゴール前を通過し、これを拾った逆サイドのボナベントゥーラが再度中央へ折り返すと、ベルトラッチがダイレクトで合わせる。一度はGKハートにブロックされるも、こぼれ球を詰めて追撃のゴールを決めた。
 
 さらに5分後、CKからパレッタがヘディングシュート。これはハートにセーブされたが、直後のCKでそのパレッタがロッセッティーニに掴み倒されてミランにPKをもたらす。キッカーのバッカはGKの逆を突き、同点弾をゴール右隅に突き刺した。
 
 追い付いたミランがさらに勢い付くかと思われたが、ここから攻勢に立ったのはトリノ。交代策などを駆使してミラン陣内で多くの時間を過ごし、69分、87分にリャイッチが、74分にはベロッティが惜しいシュートを放ったが、ゴールには至らない。
 
 89分にはミランのロマニョーリが2度目の警告で退場となり、数的優位も得たトリノだが、わずかな残り時間で試合が動くことはなかった。
 
 前半で試合を決めるチャンスもあっただけに、ホームチームにとっては悔いの残る試合となったが、ミランも勝点2を取り損なっただけでなく、次節ではロカテッリ、ロマニョーリが出場停止となるなど、ダメージを受けることとなった。
 
 このことが果たして、この試合でもすっかり定位置となったベンチで90分間を過ごした本田に、どのような影響を与えるだろうか……。
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