【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|冷水と熱湯を受け入れつつ… いざ新天地・鹿児島へ!

2017年01月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

2017年は鹿児島でスタート。

鹿児島ユナイテッドFCを支える熱きサポーターたち。ゲーム前の声援も熱く激しい。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 謹賀新年――。
 
 新しい年がやって来た。昨年は富山でたくさんの新しい仲間を知ることになり、そしてその人たちに支えられた。人生にとって大切な場所ができ、貴重な1年となった。
 
 今年は新天地、鹿児島でまた新たなチャレンジとトライが始まる大事な年になる。
 
 年末、いくつかのコラムを世間に出すまで完成させることが出来ず、申し訳ない氣持ちで元旦の朝、このコラムを書き新年の挨拶が出来たら……と思っていた。
 
 鹿児島にはマンパワーを強く感じる。人の生きる力と言うのであろうか。まだはっきりと具体的に理解しているわけではないが、九州のなかでも独特な人間の魅力を感じるのだ。
 
 そしてパワースポット。場所だ。
 
 霧島神宮に参拝し鹿児島市内に向かう道。パワーが漲る。桜島を眺めながら未来にワクワク氣持ちが高ぶる。
 
 そんな僕にとって、まったく知らない地ではない鹿児島で2017年をスタートさせる。
 
 年明けに一番伝えたかったことはそれだ。鹿児島で勝負する年であるということ。
 
 ところで、人間は「慣れる」ことで力をより発揮したり、力を失ったりもする。慣れは怖い。慣れるとは良いことでもあり、悪いことでもある。
 
 例えば、サッカーの世界ではスピードや環境に慣れることは重要なポイントだ。若い選手がプロのスピードに慣れ、環境に慣れれば、必然的に良くなって来る。
 
 一方で、プロの環境に慣れた選手が出場機会に恵まれなくなるということも起こり得る。自らの置かれた状況に慣れ切ってしまったら、それ以上の力も、若かった頃のようなプレーも戻って来ないであろう。
 
 プロとして、"プレー"せずにお金をもらうことに慣れてしまえば、お金の少ない所、または環境がまだ整わない所でプレーするのは怖い(出来なくなる)。
 
 当たり前かもしれないが、新しい所へ移るということは、「慣れる」ことから始めるということ。それは簡単ではない。
 
 ぬるま湯に浸かっていることに慣れていれば、新しい冷たい水が、または熱湯が入って来ることを望まなくなってしまう。厳しさや厳しくする人間を望まないということだ。そうなれば、新しいチャレンジとトライを避け、状況を受け入れて慣れ親しんだ環境を選ぶだろう。
 
 慣れを好む、慣れたことでその場を変えたがらない人は、冷たい水も、強烈な温度の熱湯も受け入れようとしない。自分の温度を変えたくないのだ。
 

次ページ鹿児島ユナイテッドFCをプロエンターテイナーとして鹿児島の誇りにしていく!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事