「初戦はオウンゴールだったので、次は絶対(ゴールを)取りたいと思っていた」
怪我の影響でベンチスタートとなった宮崎(19番)だが、同点ゴールを奪うなど、山梨学院の3回戦進出に大きく貢献した。写真:石倉愛子
[選手権2回戦]山梨学院 2-1尚志 /2017年1月2日/駒沢
「2点取れたのは彼がリズムを変えてくれたのが大きかった」
試合後、山梨学院の安部一雄監督がこうコメントしたように、1年生FWの宮崎純真がまたもひと仕事をやってのけた。
岡山学芸館との1回戦で先発した宮崎は、その試合で相田勇樹(3年)からのロングスローをゴール前で競り合いオウンゴールを誘発。結果的にこれが決勝点となり、間接的ながら2回戦進出に貢献していた。
左くるぶしを痛めているエースの加藤拓己(2年)の穴埋め役として期待が高まるなか、「最初から使いたかったですけど、左足のふくらはぎが張っていた」(安部監督)ため、この日はベンチスタート。しかし、チームが1点のビハインドを背負い劣勢に立たされていた後半11分、その時は訪れた。
「初戦はめっちゃ緊張したんですけど、今日はベンチスタートっていうこともあってそんなにしなかったです」
そう振り返った宮崎は、ピッチに立つなり鋭い動きを披露。自慢のスピードで背後を狙うだけでなく、敵の厳しいマークを物ともせず、力強いキープ力を武器に前線で確実にボールを収める。
すると14分、山梨学院に待望の同点ゴールをもたらす。中盤で味方からパスを受けると巧みなステップでゴールへと向かい、藤原拓海(3年)へボールを預ける。そこからゴール前へ走り込み、フリーでリターンパスを受けると、右足でシュートを流し込んだ。
「絶対決めてやろうと思っていたので、嬉しかったです。初戦はオウンゴールだったので、次は絶対(ゴールを)取りたいと思っていた」「(得点した時は)めっちゃ気持ちよかったです。これまでにないくらいですね。サッカーやっていて」
宮崎の投入から試合の流れは一変し、山梨学院の勢いは増す一方だった。26分にはキャプテンの小林友也(3年)のゴールで逆転に成功。尚志の猛攻を粘り強く跳ね返した守備陣の奮起も称えられるべきだが、なかでも1年生ストライカーのパフォーマンスは特筆に値した。
そんな宮崎の目標とする選手は、ベルギー代表のエデン・アザールだという。
「あんまり身長はデカくないけど、キレがあってシュートも上手いので参考にしています。アザール選手みたいに、ボールを持ったら相手に怖がられる選手になりたい」
プレミアリーグのチェルシーで10番を背負う世界的な名手には及ばずも、確かな存在感と‶怖さ″を示した宮崎の勢いは果たしてどこまで続くか――。軽い肉離れを患っている左ふくらはぎの状態は気掛かりだが、駒澤大高との3回戦でも「チャンスを貰えたら点に絡みたい」と、高らかに宣言して会場を後にした。
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
「2点取れたのは彼がリズムを変えてくれたのが大きかった」
試合後、山梨学院の安部一雄監督がこうコメントしたように、1年生FWの宮崎純真がまたもひと仕事をやってのけた。
岡山学芸館との1回戦で先発した宮崎は、その試合で相田勇樹(3年)からのロングスローをゴール前で競り合いオウンゴールを誘発。結果的にこれが決勝点となり、間接的ながら2回戦進出に貢献していた。
左くるぶしを痛めているエースの加藤拓己(2年)の穴埋め役として期待が高まるなか、「最初から使いたかったですけど、左足のふくらはぎが張っていた」(安部監督)ため、この日はベンチスタート。しかし、チームが1点のビハインドを背負い劣勢に立たされていた後半11分、その時は訪れた。
「初戦はめっちゃ緊張したんですけど、今日はベンチスタートっていうこともあってそんなにしなかったです」
そう振り返った宮崎は、ピッチに立つなり鋭い動きを披露。自慢のスピードで背後を狙うだけでなく、敵の厳しいマークを物ともせず、力強いキープ力を武器に前線で確実にボールを収める。
すると14分、山梨学院に待望の同点ゴールをもたらす。中盤で味方からパスを受けると巧みなステップでゴールへと向かい、藤原拓海(3年)へボールを預ける。そこからゴール前へ走り込み、フリーでリターンパスを受けると、右足でシュートを流し込んだ。
「絶対決めてやろうと思っていたので、嬉しかったです。初戦はオウンゴールだったので、次は絶対(ゴールを)取りたいと思っていた」「(得点した時は)めっちゃ気持ちよかったです。これまでにないくらいですね。サッカーやっていて」
宮崎の投入から試合の流れは一変し、山梨学院の勢いは増す一方だった。26分にはキャプテンの小林友也(3年)のゴールで逆転に成功。尚志の猛攻を粘り強く跳ね返した守備陣の奮起も称えられるべきだが、なかでも1年生ストライカーのパフォーマンスは特筆に値した。
そんな宮崎の目標とする選手は、ベルギー代表のエデン・アザールだという。
「あんまり身長はデカくないけど、キレがあってシュートも上手いので参考にしています。アザール選手みたいに、ボールを持ったら相手に怖がられる選手になりたい」
プレミアリーグのチェルシーで10番を背負う世界的な名手には及ばずも、確かな存在感と‶怖さ″を示した宮崎の勢いは果たしてどこまで続くか――。軽い肉離れを患っている左ふくらはぎの状態は気掛かりだが、駒澤大高との3回戦でも「チャンスを貰えたら点に絡みたい」と、高らかに宣言して会場を後にした。
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)