【天皇杯】CK、ディフェンス、延長戦…西大伍が明かす、 経験値を高めた鹿島の狙いどころ

2017年01月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「延長は前半が勝負かなと思っていた」

最終ラインで冷静なパフォーマンスを見せた西。鹿島が試合巧者ぶりを発揮して5度目の優勝を掴んだ。写真:徳原隆元

[天皇杯決勝]鹿島 2-1 川崎/1月1日/吹田S
 
 6大会ぶり5度目の天皇杯制覇を果たした鹿島にとって、今回のタイトルは通算19度目の戴冠となった。決勝戦後に西大伍が、ゲームの勝負どころについて語っている。
 
 まず試合は序盤からポゼッションで上回る川崎が鹿島陣内に押し込む展開となったが、このあたりはチャンピオンシップ、クラブワールドカップでも修羅場を潜り抜けてきたチームらしく、「点さえやらなければ、とみんな思っていたと思う。1点は取られたけど、そこはまあいいかなと。回されたとか、攻められているという感じはなかったですね」と泰然自若としたもの。事実、押し込まれながらも要所でカウンターを繰り出しては押し返し、著しく川崎ペースとなるような展開には持ち込ませなかった。
 
 そんななかで、試合巧者の本領を発揮したのは前半終盤の先制点だろう。右CKから左SBの山本脩斗が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。西は「相手がCKに弱いのは分かっていました。チャンスだと思っていました」と語ったが、この場面も相手の弱点をしたたかに突く鹿島らしさが出たと言えるだろう。
 
 そして、1-1のまま突入した延長戦。交代枠3人を90分で使い切った鹿島に対し、川崎にはまだ2つの余裕があった。ここまでの連戦の疲労を考えても鹿島はやや不利な立場にあると思われたが、西は延長戦についてこう語った。
「延長は前半が勝負かなと思っていた。なんとなく。後半の最後の勝負というよりは、入った直後かなと」
 
 そう語る通り、延長戦の立ち上がりは、川崎のスローダウンを見越したように鹿島が決定機を量産する猛攻を見せ、勝利を手繰り寄せた。
 
「どちらかと言えば相手の方が落ちていたんじゃないかな」
 
 敵陣に押し込んだ鹿島はさっそくチャンスと見ていたCKを獲得。このCKの流れからファブリシオの決勝弾につなげたのだった。西の冷静な言葉の端々には、2016年シーズンのクライマックスを経て鹿島がまた大きく経験値を高めた跡が見て取れるようだ。

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