【Jリーグ監督人事】活発な動きを見せたJ2。J1は川崎、C大阪など4クラブが交代

2016年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

J2は9クラブが新監督を招聘。昇格レースに旋風を巻き起こすか。

左上から時計回りにロティーナ氏、風間八宏氏、ユン・ジョンファン氏、木山隆之氏。(C) SOCCER DIGEST,Getty Images

 今季のJ1の監督人事は限定的な動きで、さほど大きなうねりは見られなかった。上位陣では川崎の風間八宏監督の退任に伴い、鬼木達コーチが監督に昇格したのみで、顔ぶれはほぼ変わらず。
 
 下位クラブも、昇格組のC大阪がクラブOBで元鳥栖監督のユン・ジョンファン氏を招聘したニュースが大きく取り上げられたが、その他では、吉田達磨前監督が途中退任し、片渕浩一郎コーチが監督代行を務めていた新潟に三浦文丈氏が就任、佐久間悟前監督が副社長兼GMとなった甲府に吉田達磨氏が収まる、という程度にとどまった。
 
 J1全体では新監督を迎え入れたのは、上記の4クラブのみ。大半のクラブが前体制を継続する流れとなった。
 
 その一方で、活発な動きを見せたのがJ2だ。とりわけ、東京V、徳島、千葉が招聘する外国人監督は興味深い経歴を持つ人物たちだ。
 
 東京Vはスペイン人の名将ミゲル・アンヘル・ロティーナを招聘。オサスナ、セルタなどで実績を残してきた指揮官にJ1昇格を託した。また徳島は、オビエドやレアル・マドリーの下部組織で指導経験を積み、タイのクラブを率いてきた無名のスペイン人監督、リカルド・ロドリゲスを迎え、千葉は現役時代の多くをスペインの名門クラブで過ごしたアルゼンチン人監督のフアン・エスナイデルを招聘した。
 
 これら3人の"スペイン系"指揮官がJ2リーグにいかなる新風を吹き込むのか、楽しみなところだ。
 
 もちろん、日本人の新監督も見過ごせない面々である。
 
 まず降格組では、名古屋の監督に風間八宏氏の就任が決定的だ。 果たして、川崎に5年間かけて魅惑の攻撃的スタイルを根付かせてきた手腕を、1年でのJ1復帰をノルマとする新天地ですぐに発揮できるのか。その挑戦に注目が集まる。
 
 しかし期待とは裏腹に、さっそく苦難が待ち受けている。名古屋は主力が大量に放出された一方、補強が進まずにいる。しかも土台作りをしつつ、結果を残さなければならない状況は、試行錯誤に時間を 費やせた川崎時代とは異なる。就任直後からいきなり正念場を迎えそうだ。
 
 その他の日本人監督の挑戦にも注目が集まる。愛媛を率いた木山隆之監督は、J1昇格を狙う山形に"引き抜かれた"形だ。指揮官は愛媛から複数の選手を引き連れ、現有戦力と融合させる方針。
 
 一方の愛媛は、イビチャ・オシム元日本代表監督の薫陶を受けたスタイルで、秋田をJ3の4位に導いた間瀬秀一監督を招聘している。
 
 岐阜は甲府時代に魅力的なパスサッカーで旋風を巻き起こした大木武氏、京都は柏コーチとして経験を積んできた布部陽功氏、金沢は磐田、新潟などで実績十分の柳下正明氏の就任が決定。それぞれ特色のあるスタイルを見せてくれそうだ。
 

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