【山形】木山新監督が明かした「心を動かされたミッション」と「新生モンテのビジョン」とは

2016年12月16日 頼野亜唯子

「攻守に組織的なサッカーをしたい」

12月15日に監督就任会見を行なった木山氏。「攻守に組織的なサッカーをしたい」と目指すスタイルを語った。写真:頼野亜唯子

 12月15日、来季からモンテディオ山形の指揮を執る木山隆之氏の監督就任会見が山形県天童市で行なわれた。
 
 これまで強化の責任者を務めていた石井肇強化部部長テクニカルダイレクターはすでに退任が発表されており、今回、木山氏招聘の陣頭に立ったのは中井川茂敏強化運営担当取締役。中井川氏は、山形がこれまで培ってきた強みを「ハードワーク」「最後まで諦めない姿勢」「規律」「フェアプレー」とし、これらを継承しつつ、さらに新しいエッセンスを加えて「J1で戦えるチームを作り上げて昇格することを目指す。それを実現できる監督として、木山監督が最適だと思った」と話した。
 
 具体的には、木山氏の「勝負にこだわる厳しさ」「柔軟性の高い戦術で与えられた戦力を最大化させる力」「若手の育成」「J2の経験値」という4つの資質を、今回の招聘の理由に挙げている。
 
 これに対し木山新監督は「最初に話をいただいた時、なんて夢のある話だと思った」と、当時の心境を明かした。

「山形はこれまでに2度昇格していますが、今度上がる時は今までよりももっといい形で、J1で戦いたいという熱意を感じました」
 
 昇格にとどまらず、J1定着、さらにはもっと長期的な視野で山形にサッカー文化を根付かせるというミッションを提示され、そのハードルの高さゆえに心を動かされたという。
 
 では、木山氏は対戦相手の指揮官として山形のサッカーをどう見ていたのか。
 
「昨年はJ1で戦ったチームであり、力のある選手が多かった。対戦時も、攻撃のスピード感や迫力は非常に感じた。一方、その力の全てをチームとして出し切れてはいないのではないかという感想も持っていた」
 
 ベンゲル監督率いるアーセナルのように「スーパースターがいなくても、チーム全員で動いてボールをつなぎ、守備になったらとにかくプレッシャーをかけ、高いラインを保つ。つまりは、攻守に組織的なサッカーをしたい」とも話しており、これこそ、クラブが木山氏に求める「柔軟性の高い戦術で与えられた戦力を最大化させる力」なのだろう。
 

次ページ新監督就任にあたり家族4人で山形に移住。

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