【浦和】手堅い内容も「しゃーないかな」と柏木が割り切った理由

2016年11月30日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「球際で強さがあるのを知っていたので、そこだけは負けないように意識した」

内容への不満を口にした柏木だが、2戦合計での勝負となる点を踏まえ「仕方がない」とも述べた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[JリーグCS決勝] 鹿島 0-1 浦和/11月29日/カシマ

 2006年以来、10年ぶりのリーグ制覇を狙う浦和が敵地で先勝した。

 ボランチとしてフル出場した柏木陽介は攻守に奔走し、機をうかがいながら積極的に攻撃に絡むと、57分に興梠慎三へのクロスでPKを誘発。一方、激しいチャージで相手の進撃を阻むなど、守備での貢献度も大きかった。

 ディフェンス面に関して「相手が球際で強さがあるのを知っていたので、そこだけは負けないように意識した」という柏木は、さらにこう手応えを口にする。

「今日は(ボランチでコンビを組んだ)阿部ちゃんと前に出てパスを回す機会も多かったから、セカンド(ボール)を拾える範囲も増えて、そこで球際で戦いやすい状況を作れた。やっぱり真ん中に人がいる状態がいいかなと。やりやすさを感じました」

 一方、攻撃面は「チームとしての良さを出せなかったかな」と振り返る。実際、浦和のシュート数は鹿島の半分以下となる5本にどどまり、ペトロヴィッチ監督も「本来の攻撃の形を出せなかった」と不満を隠さない。

 敵地で結果を得たとはいえ、攻撃的な戦いをポリシーとしてきた浦和としては、内容には課題が残る。ただ、柏木はこうも語る。

「2試合しかない状況で勝たないといけないから、それを考えると仕方がないのかなというのもある」

 チャンピオンシップで求められるものは、あくまで結果。手堅い内容でも「しゃーないかな」と割り切ったのは、まさにそこが理由だった。

 だからと言って、このまま‶消極的"なスタンスで終わるつもりはない。「引き分け狙いとかではなくて、勝ちに行く。ホームなので自分たちらしいサッカーをして、良い結果を残したいと思います」と、12月3日の第2戦に向け士気を上げた。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

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