【松本】16試合無敗のチームがまさかの黒星。田中隼磨が改めて感じる「サッカーの難しさ」

2016年11月13日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

町田戦の敗因は「自分たちが悪かったから」

百戦錬磨の田中(3番)にとっても、この敗戦はサッカーというスポーツの難しさを痛感させられたものだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J2・41節]町田2-1松本/11月12日(土)/町田
 
 J2・41節で松本が町田に1-2の敗戦。約1時間遅れで開催された岡山との一戦で清水が勝利したため、松本は自動昇格圏外の3位に転落した。残り2試合という状況でJ1昇格へ向けて、文字通り痛すぎる黒星となった。
 
 他会場の結果次第でJ1昇格自動昇格の可能性もあった重要な試合とあって、松本の選手は気合いに満ちていた。ただその分、余計なプレッシャーがかかっていたのかもしれない。
 
 試合は序盤から激しいマッチアップが繰り返される、慌ただしい展開。しかし、松本の選手の動きには少し硬い印象を受けた。
 
 なんとか活路を見出そうとセットプレーからゴールを狙うも、あと一歩及ばず。セカンドボールを拾えずに、カウンターをもろに受ける場面もあった。
 
 そうした劣勢の展開で12分に先制点を奪われると、前半終了間際にも追加点を許す。前半は散々な出来だった。
 
 後半は、前線のスピードとパワーを生かした攻撃で、徐々に盛り返したが、1点を返すのが精一杯で勝負弱さを露呈した。
 
 田中隼磨は「自分たちが悪かったから。選手みんなは何が悪かったか分かっている」と敗因は自分たちにあることを認める。
 
「ここまで16試合負けなしできても、簡単に昇格は決まらない。難しさを思い知らされた。サッカーは何が起きるか分からないスポーツだしね」
 
 前節までリーグ戦16試合負けなしで勝点を積み上げてきたチームが、最重要とも言える終盤戦でまさかの敗戦。J通算450試合以上に出場し、2010年には名古屋でJ1優勝も経験したベテランでさえも、J1昇格レースの難しさを改めて感じたようだ。
 
 ただ、自力での自動昇格の可能性が潰えた状況にも、田中は前を向く。
 
「あまり先のことは考えずに、今できることは次の試合で勝つことだけ。まわりの状態次第ですけど、とにかく僕たちができることは、勝つこと、それだけです」
 
 田中は可能性が残る限り、最終節の勝利を目指す。なぜなら、サッカーは何が起きるか分からないから――。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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