【名古屋】負けて然るべき試合だった!? 崖っぷちも闘莉王の中では「この状態は想定内」

2016年10月29日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「正直、よく3失点で収まった」

「サンドバック状態だった」と試合を振り返った闘莉王。J1残留へ、崖っぷちへと追い込まれたが「まだまだチャンスはある」と前向きだ。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1第2ステージ16節]神戸 3-0 名古屋/10月29日/ノエスタ
 
 神戸を相手に勝点を積み重ねることができず、最終節を前にJ2降格圏からの脱出はならなかった。しかも、単なる敗北ではない。現状を示唆するような、まさに"完敗"。ディフェンス崩壊の危機を孕みつつ、土俵際へと追い込まれてしまった。
 
「負けて然るべき試合。正直、よく3失点で収まった。サンドバック状態だった」と、最終ラインで声を張り上げ続けた田中マルクス闘莉王も苦しいゲームだったと吐露。両チームの差を痛感させられた。
 
「2トップが上手かった。ひとりが張れば、ひとりが落ちる。必ず俺らがプレッシャーに行けないところを突いてくる。もし寄せれば、裏を使われてしまう。
 
 アウトサイドの選手もそう。中に入ってくるタイミングと縦に勝負するタイミングが、うちとは差があったように思う」
 
 そう続けると、もう一度、言葉を繰り返した。「本当に、よく3失点で終われたなって」――。より深く、自分を納得させるように。より明確に、次への課題を確認するように。
 
 そして、まだまだ戦いも終わってはいない。J1残留を争う新潟、甲府、磐田が揃って敗れたことで、当該4チームはいまだ僅差のなかにある。(13位の磐田が勝点33、14位の甲府が勝点31、15位の新潟が勝点30、16位の名古屋は勝点30。新潟と名古屋は得失点差3)。
 
「(闘莉王がチームに合流してから)上手くいけば残り7試合でひっくり返せるかもって感じだったけど、ある意味で、こういう状態は想定内のこと。まだまだチャンスはあるし、やらなきゃいけないことがハッキリした」
 
 最終節の相手は17位の湘南。そして、ホームで戦うことができる。「難しい状況を理解してくれて、応援してくれている」サポーターの前で迎えるのは、歓喜か、悲哀か。クラブにも、闘将にも、クライマックスは刻一刻と近付いている。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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