【広島】引退を決めた森﨑浩司がサポーターへ挨拶。握手を交わしながら感謝を伝える

2016年10月24日 本田健介(サッカーダイジェスト)

セレモニーが予定される次戦の福岡戦に向けては「何も考えずに準備したい」。

川崎戦では出場機会がなかった森﨑浩司(写真中央)。それでもサポーターへの感謝は忘れなかった。(C)SOCCER DIGEST

[J1第2ステージ15節]川崎2-0広島/10月22日/等々力

 等々力陸上競技場で両チームのメンバー発表が始まり、広島の背番号7の名前が読み上げられると、会場中から温かい拍手が沸き起こった。
 
 10月20日に今季限りでの引退を発表した広島のバンディエラ――森﨑浩司。高い左足のテクニックと創造性豊かなプレーは、多くの人から愛された。
 
 川崎戦ではベンチ入りは果たしたものの、出場機会が訪れることはなかった。だが、ピッチの外からチームメイトを鼓舞し、0-2で敗れた試合後には、仲間たちを労う姿があった。
 
 そして、チーム全員で応援席へ向かった後、ひとりでサポーターの下へと駆け寄る。

「今まで17年間、ずっと支えてもらい、今日もアウェーの地まで多くの人が駆けつけてくれた。感謝の気持ちを伝えたかった」
 
 長年、背中を押してくれた人々とガッチリ握手をしながら、言葉を交わしていく。サポーター席からは「浩司」コールが繰り返された。
 
 リーグ戦でその雄姿を見られるのは残り2試合だ。次戦のホームでの福岡戦では、クラブとして初の引退セレモニーが用意されている。ただ、特別なゲームに向けては「今は何も考えずに準備をしようと思います。ただそれだけです」と、自然体で臨みたいと話す。
 
 チームは川崎戦で、1トップに皆川、2シャドーに柴崎、A・ロペスを起用。3人は豊富な運動量で相手にプレッシャーをかけ続け、前半は優位に試合を進めた。

 シャドーに入ることが多い森﨑浩にとって、川崎戦同様に前線の選手に積極的な守備が求められるとすると、今後の天皇杯を含めて回ってくる出番は限られるのかもしれない。しかし、華麗なFKなど試合を一発で決める彼の能力が必要になる時は必ず来るはずだ。
 
 願わくは来年1月1日の天皇杯決勝までプレーしてほしい。まずは次戦のリーグ福岡戦で、地元のサポーターへ向け、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみに待ちたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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