勝点を分け合った一戦、チャンス量産の原口とPKゲットの香川はともに好印象

2016年10月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

原口は開幕から連続スタメンを継続、香川は60分から登場。

原口は、73分にもエスバインに決定的なパスを送るなど、試合を通して好プレーを披露。代表戦に続くPK献上も、今回は事なきを得た。香川も過去の出場3試合に比べれば、明らかに貢献度は高かった。 (C) Getty Images

 10月14日(現地時間)、ブンデスリーガ第7節が行なわれ、ホームのドルトムントは1-1でヘルタ・ベルリンと引き分けた。
 
 前節で2位に浮上したヘルタと3位に落ちたドルトムントの対戦は、好調・原口と香川の日本人対決にも注目が集まったが、原口が開幕からの連続スタメン出場を果たしたのに対し、香川は戦前の予想に反して今回もベンチスタートとなった。
 
 最初のチャンスはドルトムント。7分にゲッツェのパスで右サイドを抜け出したプリシッチがクロスを上げ、逆サイドのエムレ・モルがダイレクトで合わせた(シュートは枠外)。
 
 その後もボールポゼッションではホームチームが上回ったが、プレーが効果的だったのはヘルタ。堅い守備のブロックを敷いてドルトムントの攻め上がりを許さず、的確なプレッシングでボールを奪っては、素早く攻撃に繋いでいった。
 
 ここでは原口が切れ味鋭いプレーを披露。15分には自陣でパスラックからボールを奪ってからドリブルで持ち込んで好位置でのFKを獲得すると、直後には左サイドからの折り返しでエスバインの惜しいシュートを引き出す。
 
 さらには、29分にシュトッカー、32分にエスバインに決定的なパスを通すなど、その視野の広さと正確なキックで原口がヘルタの得点機を量産していった。
 
 攻守両面でメリハリが効いているヘルタに対し、ドルトムントはプリシッチ、エムレ・モルの個人技に頼る攻めに終始。ゲッツェ、オーバメヤンはほとんど存在感がなく、今シーズン最低と言ってもいいほどの低調な出来で前半を終えた。
 
 後半、最初に仕掛けたのはホームチーム。47分にオーバメヤンからパスを受けたエムレ・モルが、ドリブルで守備網を突破してシュートまで持ち込んだ。
 
 しかし、先制点は好調なアウェーチームにもたらされる。51分、スローインからイビシェビッチの鮮やかなヒールパスで抜け出したシュトッカーが、冷静にGKビュルキとの1対1を制した。
 
 停滞ムードのドルトムントは60分、流れを変えるため、ロデ、ゲッツェに代えてデンベレと香川を同時投入。このトゥヘル監督の采配は奏功し、デンベレがいきなりドリブルでチャンスを作ると、ここからドルトムントの動きは激しくなり、攻撃も活性化していく。
 
 デンベレが良いアクセントになり、一方の香川はパス能力と展開力を発揮。攻撃に連動性をもたらしたことで、ドルトムントの攻撃は、前半とは比べ物にならないぐらいに効果を増していった。
 
 74分には、パク・チュホのクロスを受けて香川が左足でシュートを放つと、これが守備に入っていた原口の左腕に当たってPK判定。絶好の同点機が訪れるも、オーバメヤンのキックはコースが甘く、GKヤルステインにセーブされる。
 
 しかし、攻め続けたドルトムントは80分、最後尾からのパスでデンベレが抜け出してグラウンダーのクロスを入れる。これを、前述のPK失敗の他、65分、67分とチャンスを逸していたオーバメヤンが、今度こそ押し込んで、ついに追い付いた。
 
 勢い付いたホームチームは残り時間での勝ち越しを狙ったが、84分にエムレ・モルが執拗に掴んできたラングカンプを押し倒して退場となったこともあり、ヘルタの守備の牙城を再度崩すまでには至らなかった。
 
 ヘルタも終了間際、先制弾のシュトッカーがギンターへの後方からのタックルで一発退場となったが、敵地で勝点を奪い、ホームチームに2位奪還を許さなかったことで、ベンチは満足気だった。
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