【U-19日本代表|イエメン戦プレビュー】堂安、三好を軸とするサイド攻撃は機能するか?エース小川の出来も鍵に

2016年10月14日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「生命線」のサイドアタックを封じられるようだと…。

12日のトレーニングでは別メニュー調整だった小川だが、イエメン戦での先発が有力。エースの得点に期待が懸かる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 バーレーンで行なわれているU-19アジア選手権で、日本は14日にイエメンとのグループリーグ初戦を迎える。
 
 チームは現地時間13日の夕方から最終調整を行ない、フルコートを使った実戦形式のトレーニングやセットプレーなどのメニューを消化。今大会の命運を握っているとも言える初戦に向け、選手たちは良い緊張感を保ちながら汗を流した。
 
 個々の動きを見る限り、コンディションは概ね問題はないだろう。鋭いドリブル突破やシュートを披露した堂安律(G大阪)も「良いタッチとか、身体のキレが出てきた」と手応えを口にするなど、直前のUAE合宿を経て、中東独特の暑さにも順応できているようだ。
 
 グループリーグはイエメンに続き、イラン、カタールとの対戦が待ち受ける。決して楽な組とは言えないだけに、まずは初戦で勝利を掴み勢いに乗りたい。そこで鍵になりそうなのは、サイドの攻防だろう。
 
 両サイドハーフとSBが効果的に攻撃へ絡みながら攻めに厚みを持たせる形は、U-19代表のひとつの特長だ。最終調整でもこの形を意識したトレーニングを実施し、打開力のある三好康児(川崎)と堂安のサイドハーフが積極的にゴールに迫る場面や岩田智輝(大分)、舩木翔(C大阪U-18)がサイドを駆け上がり、何本もクロスを供給するシーンが多く見られた。
 
 いわば、「生命線」のサイドアタックを封じられてしまうようだと、後手を踏まざるを得ないだろう。グループ内では、イラン、カタールに比べ実力が劣ると見られるイエメンだが、「テクニカルでスピーディなチーム」(内山篤監督)の実力は決して侮れない。サイドで主導権を握られてしまうようだと、先発が有力視される中山雄太(柏)、冨安健洋(福岡)の2CBを軸とした守備陣の奮起も欠かせない。
 
 もうひとつの鍵になりそうなのは、エースの小川航基(磐田)の出来だ。抜群の決定力を武器に、チーム発足当初からエースとして牽引してきたストライカーの奮起なくして今大会での成功はないだろう。
 
 UAEでの直前合宿中に行なわれた練習試合でもゴールを決めた小川だが、トレーニングで右足を負傷し12日は別メニューで調整。幸い大事には至らず、本人も「大丈夫です」と、イエメン戦の出場へ意欲を漲らせる。
 
 試合前日のトレーニングでは軽快な動きを見せ、「明日も必ずゴールを獲りたい」と宣言したエースFWには、是非とも初戦から「爆発」してもらいたい。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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