【U-19代表】井原正巳の‶秘蔵っ子″DF冨安健洋が受け継ぐ「アジアの壁」のDNA

2016年10月13日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「井原監督からも『しっかり世界を取ってこい』と言われているので頑張りたい」

頑強なフィジカルや高さを兼ね備える冨安(右)トップチームを率いる井原監督の下で鍛え上げられた鉄壁の守備を発揮できるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 来年のU-20ワールドカップ出場権を懸け、U-19日本代表は14日にU-19アジア選手権のグループ初戦に臨む。
 
 第1戦のイエメン戦を迎えるにあたり、今季、福岡の下部組織からトップチームに昇格した冨安健洋には、闘志とパワフルなタックルを活かした守備力に期待が懸かる。
 
 所属チームでは主にボランチを務めているが、U-19代表ではCBとしての出場が増えそうだ。両ポジションとも、遜色なくこなせるのは冨安の持ち味であり、状況次第ではボランチでの起用されることも考えられるだろう。
 
 守備面でポテンシャルを感じさせるそのプレーぶりに、福岡の井原正巳監督からも確かな信頼を寄せられている。
 
 リーグ戦では第1ステージこそ出番はなかったものの、第2ステージに入り出場機会が急増。8節から7試合連続で先発出場(14節終了時)するなど、ここまで10試合でピッチに立っている。
 
 試合に絡み充実感を掴みつつあった矢先に、チームがJ2降格を余儀なくされメンタル面で難しさを覚えたまま代表に合流することになったが、気持ちは切り替えており、意識は今大会で世界大会への切符を勝ち取ることに向いている。
 
「スタッフやチームメイトから良い意味でいじられたりして、そういった意味では気にせずやってこれている。大会に向けて集中できていますし、井原監督からも『しっかり世界を取ってこい』と言われているので頑張りたいです」
 
 中東3か国(イエメン、イラン、カタール)と対戦するグループリーグを前に、「いかに身体を張って失点を防ぐか」を意識しながら、パワフルな守備で相手を封じ込めれば自ずと日本の最終ラインは安定するだろう。
 
 頑強なプレーで最終ラインに立ち塞がる守備――かつて、「アジアの壁」と言われた井原監督のDNAを受け継ぐ存在ともいえる冨安の奮起に期待したい。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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