‶ボランチ″遠藤航が語る前線3人の有難み。「慎三さん、武藤くん、俊くんを見れば…」

2016年10月10日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「(第1戦)でも(ボランチで)いくかもしれなかったので、プレーするイメージはできていた」

2ボランチの一角でフル出場した遠藤(6番)。主戦場のCBではなかったが随所で好判断を光らせるなど安定感を見せた。写真:サッカーダイジェスト

[ルヴァンカップ準決勝・第2戦]浦和 3-1 FC東京/10月9日/埼玉スタジアム2002
 
 浦和が決勝へ駒を進めたルヴァンカップ準決勝・第2戦のFC東京戦で、遠藤航は‶中盤″で躍動した。

【ルヴァン杯 POHTO】浦和 3-1 FC東京|興梠ハットで浦和が快勝!3年ぶりのファイナルへ
 
 10月5日の第1戦ではCBとしてプレー。この日も最終ラインに入るかと思いきや、ペトロヴィッチ監督から言い渡されたのはボランチだった。
 
「今回ポジションが変わるというのは、結構早めに言われていたんです。前回の試合が終わって次の日か、その次の日くらいか。実はアウェー(第1戦)でも(ボランチで)いくかもしれなかったので、プレーするイメージはできていた」
 
 ポジション変更の舞台裏をこう明かしてくれた遠藤は、試合序盤から好判断が光るプレーを連発する。ビルドアップ時には、最終ラインまで下がり味方とのパス交換からゲームを構築。的確な読みとポジション取りで再三ボールを奪い取り、チャンスと見れば高い位置までドリブルで侵入し攻撃にも加わった。
 
「守備から入ることは意識していて、僕と青木くんで自分にできることをやっていこうという話をしていた中で、シンプルにボールを受けて、叩いたり、ボランチとして自分の良さは出せたかなと思います」
 
 攻守ともほぼ狙い通りの試合運びを見せたチームにおいて、自らのパフォーマンスに充実感を覚えていたのはこの言葉からも察せられる。もっとも、本人はボランチでのプレーに「正直、良いイメージは持てていない」という。
 
 豊富な運動量や球際で激しくチャレンジするプレーを持ち味とする遠藤は、どちらかと言えば、守備を専門とするプレイヤーだ。おそらく、前線にパスを捌き攻撃の構築も担わなければならないボランチよりも、CBのほうがしっくりくると感じているのだろう。
 
 しかし、そんな考えを改めるんじゃないかと思ったほど、中盤でのフィット感は強く印象に残った。なにせ、相手(9本)の倍以上となる21本のシュートを見舞った浦和の攻撃陣に次々とパスを供給していたのは、‶ボランチ″の遠藤だったのだ。

次ページ待望の自身初タイトルへあと一歩。「必ず獲りたい」

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