アラダイス解任に揺れるイングランド代表……歴代監督の辞め方は?

2016年10月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

わずか1試合の采配、67日間であっけなく崩壊した新政権…。

大きな期待を受けて発足したアラダイス政権だったが、彼の代表監督としてのキャリアは、わずか1試合で幕を閉じた。 (C) Getty Images

 今夏、ロイ・ホジソンの後を受けてイングランド代表監督に就任したサム・アラダイスが、新聞のおとり取材に対して、規則で禁じられている選手の第三者保有を認める発言の他、ロイ・ホジソン前監督や英国王室を中傷したことが報じられ、サッカー協会から契約を解除された。
 
 代表監督としてわずか67日(もちろん歴代最短)、スロバキアとのロシア・ワールドカップ欧州予選(1-0で勝利)1試合を戦っただけで、アラダイス政権は幕を閉じたのだった。
 
 これはイングランド・サッカーを揺るがす一大事となり、多くの有識者が軽率な言動で代表監督としてのキャリアを棒に振ったアラダイスを批判している。
 
 当分のあいだ、代表チームはU-21代表監督のガレス・サウスゲートが代行することになるが、次期監督探しは急務であり、すでにアラン・パーデュー(現クリスタル・パレス監督)、エディ・ハウ(現ボーンマス監督)、スティーブ・ブルース(元ハル監督)らの名が候補として挙がっている。
 
 また外国人では、前マンチェスター・U監督のルイス・ファン・ハール、現アメリカ代表監督のユルゲン・クリンスマン(本人は就任の可能性を否定)といったビッグネームも、メディアによる監督候補にリストアップされている。
 
 果たして、この騒動はどのように収束するのだろうか。
 
 さて、思わぬかたちで崩壊したアラダイス政権だが、ではこれまでのイングラン代表監督は、どのような理由で、どのようなかたちでそのキャリアの終焉を迎えたのか。アラダイスのようなスキャンダラスのものは?
 
 暫定&代行監督を除く、戦後の歴代指揮官の「辞め方」を振り返ってみよう。
 
ロイ・ホジソン 辞任
指揮期間:2012年~16年(33勝15分け8敗)
主要大会:EURO2012(ベスト8)、2014年W杯(グループステージ敗退)、EURO2016(ラウンド16敗退)
 14年W杯でグループステージ敗退を喫するも続投し、EURO2016では戦前に優勝候補にも挙げられたが、グループステージでは不安定な内容で1勝2分け、2位で駒を進めた決勝トーナメントでは1回戦で伏兵アイスランドに1-2の敗北を喫し、大会後に責任を取って辞任した。
 
ファビオ・カペッロ 辞任
指揮期間:2008年~12年(28勝8分け6敗)
主要大会:2010年W杯(ラウンド16敗退)
 イングランド代表史上2人目となる外国人監督。クラブレベルでは優勝請負人として輝かしいタイトル歴を誇っていたイタリア人智将は、サッカー協会が勝手にジョン・テリーをキャプテンから外したことに抗議し、EURO2012本大会の開幕4か月前に辞任した。
 
スティーブ・マクラーレン 解任
指揮期間:2006年~07年(9勝4分け5敗)
 EURO2008予選、クロアチア、ロシアの後塵を拝して本大会行きを逃す。1994年W杯以来のメジャー大会予選敗退を喫したことで解任された。

次ページ“舌禍”でキャリアを台無しにしてしまった史上最年少指揮官。

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