【浦和】日本代表も夢じゃない!? 高木が“ハリル御前”で掴んだゴールの「極意」

2016年10月02日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「ゴール前の怖い場所に入り切れていなかったけど、今はだいぶできるようになってきた」。

「ゴール前の怖い場所に入って行く」意識が好調の要因だと明かす。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ14節]浦和 4-0 G大阪/10月1日/埼玉
 
「チームで取った、本当に良いゴールだったと思います」
 
 得点者の高木俊幸が自画自賛するように、6分に生まれた先制弾は流れるような連係だった。右サイドの駒井善成がアタッキングサードで武藤雄樹へパス。武藤はボールを受けると見せかけ、スルーしてスペースに抜け出し、柏木陽介からの縦パスを折り返す。ニアに走り込んだ興梠慎三が潰れて、フリーとなった高木が無人のゴールにシュートを突き刺した。
 
「自分は最後に触っただけですけど、なんとなく自分のところにこんな感じで来そうだなと予測していました。武藤くんが抜け出した時にイメージして(ゴール前に)入ったので、慎三くんもしっかりニアで潰れてくれて、自分のところに来る準備もできていた。冷静に(シュートを)打つことができました」
 
 浦和移籍後初のリーグ戦2試合連発。高木が「自分が変わるきっかけ」に挙げたのが、ルヴァンカップ準々決勝・神戸との第1戦のゴールだ。那須大亮のロングフィードに抜け出した武藤が中央に折り返し、ズラタンが囮となってスルーしたボールを流し込んだものだが、形は浦和戦のそれとよく似ている。神戸戦でゴール前に入って行く"感覚"を掴み、この日のゴールでそれは"確信"に変わったようだ。
 
「ゴール前に入って行くと、自然と得点のチャンスは広がっていく。今までああいうゴール前の怖いところに飛び込めていなかったので、今は『しっかりペナルティエリアの中に入っていこう』という意識は持っています。だいぶ、できるようになってきたかなと」
 
 直近の公式戦で4連敗を喫している宿敵・G大阪を下したとあって、喜びも格別だ。
 
「ボールを奪われた後も切り替えて、前からプレスをかけてそこでまた奪って、という波状攻撃の形ができていた。これまでガンバには悔しい想いをさせられてきたから、こういう試合でしっかり勝てて、ようやく苦手意識がなくなったかなと思います。広島、ガンバと嫌なイメージのついた相手をしっかり倒せたので、この流れを切らさないようにもう一度気を引き締めて、残り3試合全部勝ちたいです」
 
 高木はこれで、今季初ゴールを挙げた8月31日のルヴァンカップから、6試合で4得点と「量産体制」に入りつつある。FWはその時々の調子がモノを言うポジション。この好調ぶりが続けば、視察に訪れたヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督のお眼鏡にかなうかもしれない――。思わずそんな期待を抱いてしまうほど、今の高木は自信と逞しさに満ち溢れている。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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