【G大阪】“スーパーサブ”遠藤保仁が語った悲壮な決意。「次、負けたら…」

2016年09月28日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

4年1か月ぶりに途中出場した遠藤。「次の浦和戦、勝てばまだチャンスはある」。

4年1か月ぶりに途中出場した遠藤。後半開始からピッチに立ち、試合の流れを変えた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ13節]
G大阪 3-3 FC東京
9月25日/吹田市立スタジアム
 
 右太ももを痛めていたためベンチスタートとなったG大阪の遠藤保仁が、後半開始と同時に途中出場を果たして、試合を動かした。90分にFC東京に失点を与えたものの、アディショナルタイムに3-3追いつくという衝撃のドロー劇。それでも背番号7は笑顔を一切見せず、むしろ悲壮感を漂わせた。
 
 遠藤が途中出場を果たしたのは、2012年8月18日の22節・名古屋戦(81分から出場し、1得点を記録。5-0でG大阪が勝利)以来、実に4年1か月ぶりだった。前半終了間際から急ピッチでウォームアップし、後半の頭から今野泰幸と交代してボランチで出場。それまでボールの収めどころがなくバタバタした展開の続いたG大阪だが、司令塔がより高い位置で起点になろうとすることで、攻撃に良いリズムが生まれた。
 
 それでも第2ステージ優勝を狙うためには勝点3を奪いたかっただけに、勝点1しか奪えなかった結果に決して満足していなかった。試合後、遠藤は次のように振り返った。
 
「(最後に追い付いて)負けていたかもしれなかったが、一時はリードしていたし勝てたゲーム。最後はよく追い付けただけに、次は首位(浦和)との直接対決。気持ちを切り替えていくしかない」
 
 前半の間、両チームともにボールが落ち着かず、4ゴールが決まる"撃ち合い"になった。その戦いぶりをベンチで見ながら、遠藤は感じていた。
 
「後ろ(最終ライン)が下がりすぎて、それでは前にボールを運ぶことがきつくなってしまう。自分たちで、悪い状況を作ってしまっていた」
 
 それだけに自身がピッチに立ったあと、どのように修正すべきかはある程度イメージできていた。
 
「前でボールをとれるはず。高くラインを設定して、空いたスペースに顔を出しながら攻撃を組み立てていくのが理想。そういう場面を多く作っていきたかった」
 
 85分には藤春廣輝のオーバーラップからのパスを遠藤がペナルティエリア手前で受け、そこからつないだ長沢の決定機を作った。攻撃のリズムは、やはり彼を経由することで良いテンポが生まれていた。加えて、ボランチコンビを組んだ井手口陽介も次第に機能。改めて欠かせぬ存在であることを印象付けた。
 
 とはいえ、第2ステージ首位の浦和とは勝点2差から4差(勝点は浦和31、G大阪27)に開いてしまった。残り4試合。遠藤は悲壮の決意を示した。
 
「勝点ゼロよりも1のほうが間違いなく良い。次、(浦和戦)勝てばまだチャンスはある。負けたら終わりだと思っている。いい準備をして臨みたい」
 
 10月1日(埼玉スタジアム/午後2時開始)、浦和との大一番。コンディションが問題ないことを示した遠藤は、おそらく先発するだろう。遠藤&井手口対阿部&柏木というボランチ対決は大いに注目される。そのなかで、G大阪の背番号7がキーマンになることは、間違いない。
 
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)

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