【FC東京】“不死鳥”石川がJ3秋田戦で復帰。1年2か月半ぶりにJのピッチで躍動

2016年09月19日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

秋田戦の66分から途中出場。

J3の秋田戦で途中出場した石川。試合後にはガッツポーズも。写真:(C)J.LEAGUE PHOTOS

 J3のFC東京U-23が秋田を味の素スタジアムに迎えた一戦で、石川直宏が復帰を果たした。練習試合以外でピッチに立つのは、Jリーグでは15年6月27日の清水戦、フレンドリーマッチも含めると同8月2日のフランクフルト戦以来だった。
 
 この日ベンチ入りした石川が66分に内田に代わってピッチに入ると、4‐2‐3‐1システムの右サイドに入ってプレー。投入直後はなかなか良い形でボールは回ってこなかったが、ロスタイムには左足のクロスで好機を演出し、さらにユ・インスの落としたボールをシュートするなど二度ほど見せ場を作った。
 
 「久しぶりの試合だったので、30分を目安にいくぞと伝えました」と中村監督が言うように、コンディションはまだ万全とは言い難いが、ファン・サポーターの大きな声援に包まれながら石川はピッチを駆け抜けた。終盤の87分に決勝ゴールを決めた水沼も試合後、こう喜びを表していた。
 
「偉大なる先輩の復帰戦でしたから、勝てて良かった。みんなでナオさん(石川)のスタートをお祝いしたい」
 
 石川は試合終了のホイッスルが鳴った直後、両手を上げてガッツポーズしている。久しぶりにピッチで味わう勝利は格別だったようだ。
 
「1年2か月ぶり、本当に気持ちいい。この日を待ち望んでいました。これまで何度か復帰のチャンスはあったけど、ちょっとしたアクシデントがあってここまでのびてしまった。でも、ここまでの積み重ねは決して無駄ではなかった。FC東京のエンブレムをつけている以上、どんな試合でも結果を残したい。ここがゴールじゃない。スタートライン。俺の意地、FC東京の意地を見せたい」

 そして、ミックスゾーンでも「こうやって囲まれるのも久しぶりだな」と笑みを浮かべた石川は、再スタートの決意を次のように述べていた。
 
「思ったより冷静に入れた。みんな足が止まらなかったので、僕もそういうところで勇気づけられました。正直、試合に出るまでなにが起こるか分からなかった。この日をドキドキしながら自分は迎えた。みなさんにも期待をしていただいて、こうやってピッチに立てたので、あきらめずにここまでやってきて良かったです」
 
 いろいろなアクシデントがありながらも、這い上がってきた"不死鳥"石川。もちろん、ファン・サポーターへの感謝の気持ちも忘れない。
 
「長く待っていただいた皆さんに恩返しというか、そういう気持ちでピッチに立っていた。勝つことだけを考えてプレーしていました」
 
 ピッチに戻ってくると「あれこれやりたくなる」と言う石川だが、そうした気持ちを抑えながら一歩、一歩、完全復活への道を歩んでいくそうだ。
 
「これからです。いきなりトップギアにあげてもって感じなので、ちょっとずつですね」 
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