【横浜FC】頼もしき助っ人。イバは4年ぶりのプレーオフ進出へ導けるか?

2016年09月19日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「今日は僕の日だった。得点でチームを助けたいという気持ちが強い」。

前節の町田戦で譲ったPKのキッカーを志願し、見事にゴール! 今季3度目となる1試合・2得点を記録した。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第32節]横浜FC2-0京都/9月18日/ニッパツ
 
 身長190センチ・体重90キロ。筋肉隆々の身体とは"真逆"のテクニカルなFKがイバの左足から放たれると、相手GKは一歩も動けぬまま、京都のゴールネットが揺れた。

 先制点を生んだこのFKには、「伏線」があった。前節の町田戦でも、30分にペナルティエリア右手前の同様の位置で、キッカーのスポットにはイバ、中里崇宏、野村直輝の3人が立っていた。この試合では最終的に中里が蹴ったが(カーブのかかったボールは枠を捉えられず)、今回は自分が行くと決めていたという。
 
「前節、ザト(中里)にFKを持って行かれたからね(笑)。今回は自分が行くと決めていたから、譲らなかった。壁の上を越して巻いて枠に入れようとして、イメージ通りにゴールできたよ。居残りで蹴っていて、感触も良かった」
 
 そして、58分には勝利をグッと引き寄せる追加点を奪って見せる。ペナルティエリア内でボールを受けると、反転からの鋭い切り返しでマークマンを置き去りに。目の前にできたわずかなスペースを見逃さず、他のDFやGKが飛び出して来る前にシュートを突き刺した。
 
「2点目は、(GK)菅野(孝憲)選手のタイミングをずらそうとトゥーキックで狙った。フットサルではよくやるテクニックだね。菅野選手が少し前に出て来ようとしていたように見えたから、早めに蹴ろうと思ったんだ。今日は僕の日だった」
 
 プレーオフ圏内を目指すうえで絶対に落とせない大一番で、今季3度目となる1試合・2得点の活躍。22節終了時点で17位まで落ち込んだチームも、6位の京都に勝点差4まで迫ってきた。昨季は夏場以降に深刻な得点力不足で失速しただけに、得点ランキング5位タイ(12点)につけるストライカーの存在は実に頼もしい。
 
「リーグ戦で12得点? いや、カップ戦を含めると13さ。すべてが自分の得点になるからね。そこは忘れないでもらいたいな(笑)。得点でチームを助けたいという気持ちが強いので、これからもベストを尽くして続けていき、ゴール数を伸ばせるように頑張っていきたい」
 
 ノルウェー出身の頼もしき助っ人は、チームを2012年以来のプレーオフ進出に導けるか。点取り屋のプライドを胸に、大きなミッションに挑む。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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