鳥栖のイタリア人指揮官も日本化のススメ。「ヨーロッパの真似しても強くならない」

2016年09月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

日本の独自性を追求する姿勢が日本サッカーの向上につながると強調。

日本サッカーの強化の方向性について意見を述べたフィッカデンティ監督。試合には敗れたが、自らも関わる日本サッカーの将来には大きな関心を寄せている。写真:田中研治

[J1・第2ステージ11節]浦和 2-0 鳥栖/9月10日/埼スタ
 
 鳥栖のイタリア人指揮官が、日本サッカーに貴重なアドバイスを贈った。
 
 試合後に行なわれた監督会見のなかで、マッシモ・フィッカデンティ監督は、「今日は浦和が素晴らしかった」と上位対決を振り返るとともに、日本サッカーの強化の方向性にも示唆に富んだ発言をしている。
 
 フィッカデンティ監督は、2010年に長友佑都(インテル)がセリエAのチェゼーナに移籍した際の指揮官で、「日本のポテンシャルは、長友をイタリアに連れてきた国なので、すごく尊敬に値すると思っている」と発言、「約30人の日本人選手がヨーロッパでプレーしているという点からもJリーグのレベルの高さを感じる」と、欧州組の増加を歓迎している。
 
 しかし、その一方で、日本が世界でさらなる存在感を示していくには、他国のやり方に固執すべきでないと述べている。
「いろんな良いところを取っていくというのは日本の良さでもあり、悪さでもあるんですが、日本人が(世界で)どうやって戦っていくかということを追い求めるなら、絶対に他の国の真似事をしても強くはならないと思う。なので、ヨーロッパを真似ようとせず、日本人がやるべきことを国全体で取り組んでいくことが大切だと思う」
 
 フィッカデンティ監督はこのように述べて、日本独自のサッカーを追求する姿勢が日本サッカーの向上につながるとした。
 
 かつては、J1時代の千葉とドイツ・ワールドカップ後の日本代表を率いたイビチャ・オシム監督が盛んに日本サッカーの「日本化」を標榜。日本人の身体的・技術的、あるいは文化的な特性を生かしたサッカーの追求を試みたが、鳥栖を率いるイタリア人指揮官もまた、日本サッカー界に同様の提言を示した。

取材・文:長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

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