【左ウイング考察】原口が再浮上し、最大の激戦区は“三つ巴”の様相に

2016年09月09日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「キヨ君(清武)とか(宇佐美)貴史の中に入っていけたらいい」(原口)。

タイ戦でスタメンに抜擢された原口(右)は、期待に応える1ゴールを記録。宇佐美(左)や清武らとの熾烈なレギュラー争いに名乗りを挙げた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]タイ 0-2 日本/9月6日/ラジャマンガラ・スタジアム
 
 ハリルジャパンの最大の激戦区が左ウイングだ。現時点での主な候補者は、以下の4人で異論はないだろう。
 
 宇佐美貴史、清武弘嗣、原口元気、武藤嘉紀。
 
 9月シリーズでは、初戦のUAE戦では清武が先発し、宇佐美が途中出場した。5日後のタイ戦では原口がスタメンを勝ち取り、再び、宇佐美が途中投入されている。
 
 昨年の11月シリーズ以来の招集となった武藤は、今回はCFでプレーしたものの、以前は左ウイングでも起用されていただけに、指揮官の中では選択肢に入っているはずだ。
 
 このポジションで最も多く先発しているのが宇佐美である。ハリルホジッチ監督が大きな期待を寄せているのは間違いないが、今回の9月シリーズを振り返ると、完全なファーストチョイスではなさそうだ。
 
 競争を激化させているのが、清武だろう。UAE戦や6月のキリンカップでのブルガリア戦で先発し、好パフォーマンスを披露していた。トップ下の香川との相性の良さも、今の立ち位置を後押ししている。
 
 さらに、ここに来て存在感を示しているのが、原口だ。UAE戦に敗れた後、絶対に勝たなくてはならなかったタイ戦でスタメンに名を連ねると、勝利に導く値千金の先制点をゲット。見事にチャンスをモノにし、一気に定位置争いに名乗りを挙げた。
 
 その原口は、熾烈なバトルを次のように見ている。
 
「それぞれ良さが違うので、監督も相手によって代えたりとかもすると思う。最近(の自分)はボランチで使われたりしていて、前でやりたい気持ちが強かった。今日(タイ戦)は結果を出せて、(監督が)もう1回、左で使ってみようという気になってくれたらいいし、キヨ君(清武)とか(宇佐美)貴史の中に入っていけたらいい」
 
 原口は2次予選でレギュラーを掴みかけた時期もあったが、それも長くは続かなかった。ただ、今回のタイ戦でのインパクトは相当に大きかったはずで、宇佐美と清武を含めた"三つ巴"の様相に、ハリルホジッチ監督も嬉しい悲鳴を上げているかもしれない。
 
 この3人に加え、4番手に位置する武藤、あるいは乾という存在も控えている。国内組に目を転じれば、横浜の齋藤が圧巻のパフォーマンスを披露している。
 
 最終予選を通じて、誰が抜け出すか――。指揮官がどんな采配を見せるか、今から10月シリーズが楽しみでならない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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