「岡崎さんのためにも」――。浅野を突き動かした大先輩からのアドバイス

2016年09月07日 サッカーダイジェスト編集部

「(岡崎さんは)『ボールが出て来なくても、どんどん動いていれば、みんなが何とかしてくれるから』と」

岡崎に代わって先発出場を果たした浅野。大先輩のアドバイスに応えるように、見事ゴールを決めた。 (C)SOCCER DIGEST

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]タイ 0‐2 日本/9月6日/ラジャマンガラ・スタジアム
 
 浅野拓磨はタイ戦前日のミーティングで、スタメン起用を告げられた。「試合に出たら、絶対にゴールを決めよう」と自分なりに準備はしていたなかで、代表通算102試合・49ゴールを誇る岡崎慎司から声をかけられ、責任感は一気に増したという。
 
「(岡崎さんは)練習後やホテルで、声をかけてくれました。『ボールが出て来なくても、どんどん動いていれば、みんなが何とかしてくれるから』と。先輩が向こうから話しかけてくれるのは嬉しいし、岡崎さんのためにも自分がしっかり結果を残したいと思いました」
 
 75分、浅野は長谷部誠のパスに抜け出して貴重な追加点を奪ったが、実は狙ったタイミングとは違ったと話す。それでも、球際に頭から飛び込んでマイボールにし、ゴールをねじ込めたのは、もしかしたら岡崎への想いが上乗せされていたからかもしれない。
 
「実は、(長谷部のパスに対して)もうひとつ早く動き出していて、(パスが)出て来なくて一回止まったんです。自分の中ではタイミングが遅れましたけど、ボールもルーズだったので、力を出し切ってなんとか頭で触れば、マイボールにできるかなと思った」
 
 今年6月のキリンカップ・ブルガリア戦以来の代表通算2点目を挙げ、「ゴールを取れたことは良かった」と話す一方で、「満足できる試合ではない」と言い切る。それは、再三得点チャンスがありながら追加点を取るのが75分まで時間を要したからであり、このゴールが今後の活躍を保証するわけではないからだ。
 
 代表活動後には、先日移籍が決まったばかりのドイツ2部・シュツットガルトに合流する。初の海外挑戦に加え、すでにリーグは開幕しており、厳しい競争が待っているのは間違いない。それでも浅野は、信条とする「100パーセントの力を出し切る」が大事だと話す。
 
「代表でゴールを取れたからと言って、チームでも良いプレーができるかと言ったら、そんなことはない。チームに戻って、まず感じるのは難しさかなと。そこは心の中で覚悟しながら、少しでも早くチームに慣れて、自分の特長を100パーセント出して、チームメイトに信頼される選手になりたいと思います」
 
"ジャガー"はゴールを手土産に、ドイツの地へ。選手としてまたひと回り大きくなって、10月のワールドカップ最終予選(6日・イラク戦、11日・オーストラリア戦)に戻ってくることを期待したい。

【W杯最終予選PHOTO】タイ 0-2 日本|原口、浅野のゴールで初白星!
 
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