パリSGを退団したダビド・ルイスと残留したマテュイディの災難

2016年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

他人の起こした“ボヤ”の火消しに奔走させられる羽目に…。

ともに可能な限りの誠実な対応を見せたD・ルイス(左)とマテュイディ。写真は2015年。 (C) Getty Images

 8月31日の移籍市場最終日に、パリ・サンジェルマンからチェルシーに移籍したダビド・ルイス。古巣への2年ぶりの復帰は、大きな驚きをサッカー界に提供することとなった。
 
 そんなD・ルイスだが、『ESPN』などの報道によると、あるソーシャルメディアのアカウントで、彼が「パリでの2年間はムダだった」、「ビギナーレベルのサッカーゲームをやっているようなものだった」と語ったと伝えられていた。
 
 これに対して彼は、自身のツイッターで「事実無根であり、取材を受けたこともない」と完全否定し、「僕はフランス・サッカーに多大な敬意を払っている。報道の自由や表現の自由は尊重するが、ファンには、悪意のある嘘には気を付けてほしい」と訴えている。
 
 D・ルイスはパリSG移籍が決まった後、ツイッターで激励してくれたチームメイトのブレーズ・マテュイディに対し、「君は私がここを去る理由を知っているよね」とリプライしたが、これが様々な憶測を呼んでいたのも事実である。
 
 もっとも、この"理由"とは、新監督のウナイ・エメリがD・ルイスに対して、レギュラーポジションを保証していないことであるという見方が大勢を占めている。
 
 一方のマテュイディだが、彼も今回の移籍市場では同胞ポール・ポグバ(→マンチェスター・ユナイテッド)の後釜としてユベントス移籍の噂が流れたものの、ナセル・アル・ケライフィ会長がこのフランス代表MFの放出を断固として拒否、残留が決まった。
 
 これに対し、彼の代理人であるミーノ・ライオラは不満をあらわにし、「マテュイディはユベントス行きを望んでいた。彼はパリSGに対して大いに失望している」と発言している。
 
 交渉を阻まれた代理人としては、当然の感情ではあるが、今シーズンもパリSGの一員としてプレーするマテュイディとしては、あからさまに失望の表情を見せるわけにもいかない。
 
 そこで、彼は「新たな挑戦を求めていた」ことを認めながらも、「判断はクラブに任せていたので、失望はしていない。ここにいられて幸せだ。エメリ監督とはすでに、新シーズンに向けて色々な話をした」と語り、自身はクラブやチームとも良好な関係であることを強調している。
 
 こうして、パリSGを退団したD・ルイス、残留したマテュイディともに、他人が起こした"ボヤ"の火消しに奔走させられる羽目となったのだった。
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