「組織の内部からも見放されていた」マドリー番記者が明かすシャビ・アロンソ解任の舞台裏「ヴィニシウスの反抗に、経営陣が監督を支持しなかった事実は重い」【現地発】

2026年01月16日 エル・パイス紙

アンチェロッティの判断は正しかった

ヴィニシウス(左)との確執が取り沙汰されたシャビ・アロンソ(右)。(C)Getty Images

 カルロ・アンチェロッティは、昨シーズンの開幕時に確信していた。選手たちの守備におけるコミットメントが最低レベルのままでは、この先何も成し遂げられない。

 それは、数々の修羅場をくぐり抜けてきた名将の単なる直感や経験則ではなかった。コーチ陣が弾き出したデータに基づく、冷徹な結論だったのである。彼は1試合あたりの走行距離や、スプリントの回数を精査し、ライバルたちと比較した。その結果、あまりに悲観的な予測に達した。そして悲しいかな、彼の判断は正しかったことが今、最悪の形で証明された。

 アンチェロッティは、スター選手たちに対して記者会見の場でも直接の対話でも、守備面でのさらなる犠牲を求めることに疲れ果てていた。しかし、その働きかけが実を結ぶことはなかった。

 ヴィニシウスは、サッカー関係者たちの間で「自分は守備のために走る選手ではない」というスタンスを臆面もなく公言し、エムバペもまた、守備を自らのタスクとして捉える考えを持ち合わせていないのは明らかだった。

 アンチェロッティが発した最初の警告から16か月。マドリーはその献身性の欠如という持病に加え、フットボールそのものの質の低下とチーム内における不協和音という合併症に苦しんできた。
 
 シャビ・アロンソの指揮下では、努力不足という古い問題に加え、アンチェロッティをも苦しめた「プレーの創造性の欠如」、そして「新監督と一部のスター選手との間の疎遠さ」という新たな難題が重くのしかかっていた。

 結果として、指揮官は混迷の深淵に沈んだ。特にクラシコで見せたヴィニシウスの公然たる反抗に対し、クラブ経営陣が監督の立場を支持しなかった事実は重い。弱体化したアロンソは、チームの構造的な欠陥を埋める答えを見出せないまま、袋小路に追い詰められていった。

 アロンソの立ち位置の不安定さは、12月からずっと最高潮に達していた。この間、経営陣からの公的な支援や信頼の兆しは一切見られなかった。幹部の中には、表面上は理解を示す者もいたが、その「同情」こそが彼の立場をいっそう弱体化させた。クラブスタッフたちの間では、監督が選手に強いる長時間のビデオセッションへの不満が公然と語られるなど、組織の内部からも見放されつつあった。
 

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