普段通りに、緊張もなし。尚志の2年生MF星宗介は国立のピッチで躍動「楽しんでプレーできたのは2人の兄がいたから」【選手権】

2026年01月11日 森田将義

「悔いはないけど、悔しさはある」

4強の尚志で攻守の要として欠かせない存在となった星。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[選手権・準決勝]神村学園(鹿児島)1(9PK8)1 尚志(福島)/1月10日/MUFGスタジアム(国立競技場)

「ゲーム内容的には尚志さんに負けていたと思う」。試合後、神村学園の有村圭一郎監督がこぼしたのは無理もない。

「上手く立ち位置を取られて前にパスが付けられない。ピッチ内ではパスコースがないのだろうなという印象を受けました」と続けたように、開始5分に先制を許した前半は尚志の対策に苦しみ、前方へのパスを付けることができず。後半になってようやく攻撃陣にボールが入るようになり、73分に何とか同点に追いついたが、ここまで3試合で14得点を奪ってきた攻撃陣の良さを出し切れなかった。

 決勝に駒を進めた神村学園よりも尚志の守備の奮闘が目をひく試合展開となるなかで、ひと際際立っていたのはアンカーの位置に入った2年生のMF星宗介だった。

 矢板SC時代はボランチとしてプレーしていたが、尚志にはCBとして入学。今年はプリンスリーグの開幕からCBやSBで出場時間を伸ばしてきたが、5月以降はDF松澤琉真(3年)の復調もあり、ベンチに。しかし、プレミアリーグのプレーオフがあった12月前から中盤に怪我人が出たことでボランチを任されると、好プレーを披露。選手権では攻守の要として欠かせない存在となった。

 高校に入ってからはCBを経験してきたため、前線から落ちてボールをもらおうとするFWを潰す動きは十八番で、相手にボールが入った瞬間に強くぶつかることができる。加えて、「ボランチはインターセプトができるとでかい。高い位置で奪ったらその分チャンスが増える」と相手の目や特徴を踏まえたうえで予測して、ボールが奪えることも強みだ。
 
 この日はそうした守備の強みを随所で披露し、中盤の3枚とディフェンスラインで連係を取ることで素早くスライドしながら、上手くマークを受け渡し神村学園の選手に自由を与えない。

 前半は守備で手応えを感じながら、奪った時に崩れている相手の陣形をすり抜けるような持ち運びも見せていたが、試合終盤になると疲労の影響もあり、思い通りの守備ができなくなっていった。

 同点に追いつかれ、PK戦で敗退。星は試合後、「出番をもらえたのは嬉しいのですが、自分的には何もしていないので申し訳ない気持ちが強いです。もっと貢献したかったし、勝たせたかった」と唇を噛んだ。

 2歳上の兄・慶次郎(現・東海大)も尚志のボランチとしてプレーし、宗介と同様に守備能力の高さでチームを支えてきた。5歳上の兄・景虎は今年、東海大を卒業し、ガイナーレ鳥取に加入するストライカー。サッカー一家で育った三男は2人の兄から刺激を受けてきたという。

「一番上の兄(景虎)とはポジションがあまり似ていないのですが、全国大会ベスト4を2回以上経験している。そうしたところで強度の高いプレーを見せてくれたのは本当に大きいし、今大会は『楽しんでこい』とメッセージをくれた。2歳上の兄(慶次郎)は去年、初戦で負けて悔しい思いをしたと思うのですが、楽しんでプレーしていたのが印象的だったので、そこは真似しようと思っていた。楽しんでプレーできたのは2人の兄がいたから」

 2人の兄の存在もあって、国立競技場という大舞台でプレーしても、普段と変わらず緊張なくプレーできたという。下級生で積んだ貴重な経験と悔しさはまた来年、自分たちの代で活かすしかない。

「悔いはないけど、悔しさはあるので、ここに戻ってきてベスト4の壁を越えたい」。そう意気込む星はまた国立の舞台に戻り、今度はチームを勝利に導くプレーを見せてくれるはずだ。

取材・文●森田将義

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