ハリルがキーマン!? 五輪代表・手倉森監督のA代表コーチ就任の可能性は?

2016年08月27日 小田智史(サッカーダイジェスト)

9月シリーズは“休養期間”。去就はハリル監督との会談を経て決まる見込み。

手倉森五輪代表監督は9月シリーズでA代表に帯同せず、タイ戦後にハリルホジッチ監督と今後についての話し合いの場を持つという。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 リオ五輪代表の手倉森誠監督は8月31日をもって契約満了となる。A代表コーチ就任を含めて去就が注目されていたが、結論は9月1日(UAE戦)、6日(タイ戦)のワールドカップ最終予選後、ヴァイッド・ハリルホジッチA代表監督との会談を経て決定するという。
 
 手倉森監督は8月24、25日にハリルホジッチ監督や西野朗技術委員長と話し合いの場を持った。リオ五輪ではグループリーグ敗退に終わったものの、技術委員会は「非常に難しい世代をアジアのチャンピオンにして、本大会に連れて行き、あと少しで次のステージに行けるところまでチームを押し上げた」(西野技術委員長)と手倉森監督の手腕を高く評価。ハリルホジッチ監督も日本人スタッフを必要としており、A代表コーチへの推薦も視野に入っていると目される。
 
 しかし、手倉森監督は「(リオ五輪で)ダメージを負っているのは明らか」(西野技術委員長)な状態。ハリルホジッチ監督はそういった背景も汲み、しばしの休養を与えるとともに、タイ戦終了後にゆっくりと話したいと申し出たという。
 
「オリンピックの総括が終わっていないので、なるべく休ませてもらいたい気持ちでいた。ハリルは俺の気持ちを察してくれたし、彼も"ワールドカップモード"に入っている。今回(9月のワールドカップ予選)は休ませてもらったうえで、対戦(9月シリーズ)が終わった後にじっくり話そうか、ということでした。そこで正式に何かが決まるんだろうなと思っています」(手倉森監督)
 
 手倉森監督は9月1日から一時的に「ニュートラル」(手倉森監督)、つまりは「フリー」の立場となる。田嶋幸三会長にも「気持ち的に一回切るという意識でいさせてほしい」と話をしており、まずは代表活動の総括を協会に上げることを最優先にするという。
 
 報道陣の「A代表のコーチとして残る選択肢もあるか?」との問いに、「そうですね」と答え、「ハリルと話をするなかで、お互い納得のいく結論が出ればいいですね」と想いを語った手倉森監督。常に日本サッカーの発展を願ってきた男の決断から目が離せない。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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