「親孝行は同じピッチに立つこと」兄はJ内定、弟は全国初勝利。興國のキャプテンGK岩瀬颯が誓う“兄弟でJの舞台”【選手権】

2025年12月29日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「“陽の弟”じゃなく、“岩瀬颯”として覚えてもらいたい」

好セーブで無失点勝利に貢献した興國の主将GK岩瀬(1番)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・1回戦]興國(大阪)2-0帝京大可児(岐阜)/12月29日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 興國(大阪)が12月29日、第104回全国高校サッカー選手権の1回戦で帝京大可児(岐阜)を2-0で下し、全国大会で待望の初勝利を挙げた。6年ぶりの選手権出場で掴んだ白星。その中心にいたのが、キャプテンでGKの岩瀬颯(3年)だ。

 最後尾から絶えず声を張り上げ、仲間を鼓舞。2点をリードして迎えた終盤は相手に押し込まれる時間帯もあったが、鋭い反応のセーブでゴールを許さず、完封勝利に大きく貢献した。

「チーム立ち上げの時から日本一を全員が口にしてきた。でも、言うだけは簡単だと夏頃からみんなで考えて、練習から変えてきた。それが今日の勝利につながったと思います」。岩瀬は落ち着いた口調で胸の内を明かす。
 
 そんな岩瀬が日本一を目ざすひとつの理由に兄の存在がある。兄は来季からの湘南ベルマーレへの加入が内定している中央大のGK岩瀬陽(興國高出身)である。

 兄は出場を叶えられなかった全国の舞台に自身が立ったが、普段はあまりサッカーの話はせず、「普通の兄弟みたいに喋っています。兄に全国に出るって言ったら、『やるな』ってぐらいは言われました(笑)。(兄は)プロなので、キーパーとして参考にしていて、アドバイスをもらっています」

 4学年上の兄の影響でGKを志し、「ピンチをひっくり返す姿が本当に格好よかった」と振り返る。一方で「"陽の弟"じゃなく、"岩瀬颯"として覚えてもらいたい」という思いも強い。

「この全国で少しでも多く勝って、弟もすごいと思ってもらえたら。また、兄と同じプロのピッチに立つことができたら、それが親孝行やと思いますし、今まで支えてくれた親にもそれが一番の恩返しかなと」

 兄弟でJリーグのピッチに立つ未来を思い描きながら、主将はまず高校日本一を目ざして歩みを続ける。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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