昨季ブンデス6位→まさかの最下位に沈むクラブで奮闘する日本代表MFが語った自身とチームの“現在地”「昨季よりできるプレーは増えている」【現地発】

2025年12月27日 中野吉之伴

「守備のところでしっかりとした約束事がある」

今季も主軸として活躍する佐野。(C)Getty Images

 日本代表MFの佐野海舟がプレーするマインツは、今年のラストマッチで、日本代表MF藤田譲瑠チマが所属するザンクトパウリとのホームで対戦。引き分けに終わり、勝点差を詰めることができないまま、最下位で年を越すことになった。

 昨季6位だったチームは、リーグ11戦連続勝ちなしで、勝点はわずか8。あまりに寂しい。

 ただ、ウルス・フィッシャー監督就任後は、カンファレンスリーグを含めて4戦負けなし。トルコのサムスンスポルに2-0で勝利し、ブンデスリーガの首位を独走する王者バイエルンには2-2の引き分けに持ち込んだ。状態は上向きだ。

「守備のところでしっかりとした約束事があります。まだ完璧ではないですけど、試行錯誤しながらやろうとしている途中だと思います。そういう中で負けがないのはプラスだと思います」

 ザンクトパウリ戦後にそんな風に話していた佐野。その雰囲気からは追い込まれているような様子は感じられない。

「悪くない手応えというのは感じていた。今日、勝つことができれば、もうちょっと勢いに乗れたと思います。でも、この勝点1をしっかり次につなげていければいいなと思います」
 
 フィッシャー監督はウニオン・ベルリン時代に丁寧な守備組織をベースに、インテンシティの高いサッカーでチャンピオンズリーグ出場まで導いた名将だ。就任からまだ日が浅いことで攻撃の設計までは手が回っていないため、佐野も「攻撃のところで、もうちょっとやれることあるかなと思います」と受け止めている。

 今季はリーグに加え、カンファレンスリーグ、そして日本代表とフル稼働だった。リーグ15試合全試合でフル出場とチームのために走り、戦い続けた。

「守備の持ち味というのは基準高くやれていると思いますし、攻撃の部分でも、昨シーズンよりはできるプレーが少しずつ増えていきつつあると思う」

 24歳のボランチは自身のプレーについてそのように振り返っている。アンカーの位置でのボール回収力はリーグでも屈指のレベル。ゲームコントロールやチャンスメイクに絡む頻度とクオリティを高めていることで、自身の評価価値を高めている。

 来年はワールドカップだが、佐野は常に目の前の取り組みにだけ集中する姿勢を崩さない。

「やれることは変わらない。一日の積み重ねでやっていくしかないと思ってます」

取材・文●中野吉之伴

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