平畠啓史セレクト! J2年間“至極の11人”|混戦の左サイドで推したいのは秋田の佐藤大樹。いわきの五十嵐聖己は覚えておいて損はない

2025年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

走れるしフィジカルも強いしロングスローも飛距離十分

平畠氏がセレクトした2025シーズンのJ2年間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 2025シーズンの各カテゴリーのアウォーズが終わると、今年も残り1週間ほど。年が明けるとすぐに新体制発表からキャンプ。そして百年構想リーグに突入とかなりあわただしい年明けになる予感だ。

 その前に、今回はJ2アウォーズのベストイレブンに選ばれた選手以外で、勝手にベストイレブンを選ぶという企画。勝手に選んでいるので、出場試合数はある程度は考慮するものの、数字だけでなく印象に残った選手を、順位にあまりとらわれることなくピックアップしてみたいと思います。

 GKは長崎の後藤雅明。シーズンが進むにつれて、どんどん存在感が増した後藤。終盤の何試合かは後藤のセーブがなければ、結果が変わっていたような試合も少なくはなかった。そして、最終節アディショナルタイムのスーパーセーブ。勝点「1」を手繰り寄せたとかの問題ではない。シーズンを決めるスーパービッグセーブなのだ。

 終盤の負傷で欠場を余儀なくされた大宮の笠原昂史は、シーズンを通して素晴らしいパフォーマンスだった。仙台の林彰洋は存在感抜群だった。鳥栖の泉森涼太はすべてのプレーのレベルが高く、フィードも安定していた。ただ、後藤の常日頃のパフォーマンスと最終節のセーブの重要度を考えると、やはりGKは後藤を推したい。

 右サイドバックは千葉の髙橋壱晟。12節の熊本戦は出場しなかったが、その他のゲームはフルタイム出場。プレーの安定感。気の利いたポジショニング。8節・水戸戦のゴラッソ。J1昇格プレーオフ決勝でのアシスト。キックの精度もすこぶる高い髙橋。1シーズンを通して安定したパフォーマンスを継続した。
 
 左サイドにはいわきの五十嵐聖己。全試合出場で6G4A。走れるしフィジカルも強いしロングスローも飛距離十分。さらに、この選手は迫力ある攻撃性が魅力。縦に仕掛けた時の勢いは凄まじく、シュートはスピードもあってかなりの破壊力。この選手は覚えておいて損はない。3バックの左に入る徳島の青木駿人も対人の守備やフィードはかなり安定していた。

 センターバックの一人目は千葉の鈴木大輔。6連勝でスタートした千葉だったが、シーズンは山あり谷ありで難しい時期もあった。しかし、崩れなかったのはキャプテンマークを巻いて奮闘する鈴木の存在があったからこそ。自分のプレーだけでなく、常に周りに声をかけ、ディフェンスラインだけでなくチームをまとめ上げた。千葉のJ1復帰の立役者の一人である。

 センターバックのもう一人は鳥栖の井上太聖。順天堂大卒のルーキーながら全試合出場。第1節は途中出場だったが、2節からはフルタイム出場。守備時の反応が良く、優れた対応力で人に対して簡単に負けることはない。そして安定したボール扱いで、3バックの右から前が空いていると巧みにボールを運んだ。ボールを大事にする鳥栖のサッカーで、後方からボールを繋ぐことができる井上の存在は貴重だった。

 大卒ルーキーでは東京国際大から水戸に加入した板倉健太も素晴らしい活躍。危機察知能力に優れ、的確なカバーリングでディフェンスラインに安定感をもたらしていた。
 

次ページ個で打開できる魅力的な選手が多かった

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