指揮官もしびれを切らしつつあるのかもしれない。

　チャンピオンシップ（イングランド２部）のバーミンガムを率いるクリス・デイビス監督が、古橋亨梧にゴールを決めてほしいと話した。

　１年前にセルティックを離れてレンヌに移籍したものの、フランスの地で出場機会を得られず、半年でバーミンガムに再移籍した古橋。だが、岩田智輝も所属する新天地で事態を好転させることができていないのは周知のとおりだ。

　開幕当初は先発出場していた日本代表FWは、その後はベンチに降格。ここまでリーグ戦22試合（出場は19）でノーゴールにとどまっている。リーグ戦で逸したビッグチャンスの回数の多さが騒がれることも少なくない。

　専門サイト『Birmingham Live』によると、デイビス監督は「キョウゴにとってはフラストレーションだった。誰よりも彼自身がフラストレーションを感じているんだ。彼を見るとそれが分かる」と、古橋自身も苦しんでいると慮った。

　そのうえで、指揮官は「我々がつくったチャンスの数から、彼には何度かその機会があった。リーグ戦でつくったビッグチャンスに関しても、彼は上位だと聞いている」と続けている。

「彼はそれらのチャンスを生かせていない。彼もそれは分かっている。そういうチャンスやタイミングを生かさなければいけないということは伝えた。彼はそれができるだけの選手だ。それを示してきた。だが、ここでそれを実現させる必要がある。ほかの誰かがやってくれるのではない。彼自身がそれをする必要があるんだよ」
 

　古橋の真摯な姿勢に変わりはない。デイビスも「ラブリーで、全力を尽くす。練習後も残っている。走って、求めるすべてをやってくれるだろう。とても周囲に敬意を払い、とてもプロフェッショナルで、あれ以上のプロを求めることはできない」と賛辞を寄せた。

　だが、指揮官は「今は彼にその決め手となるものを見つけてほしいんだ。大半の人が同じ考えだろうが、１ゴール決めれば自信を深め、調子を高めていけるというのが明らかな答えだからね」と続けている。

「私ももちろんそういう考えで、そう信じてきた。スコアラーにとって自信は極めて重要と分かっているからだ。この2025年は彼にとってファンタスティックではなかった。多くの試合で先発出場できず、途中出場し、取り組む時間は多くなかった。だが、その中でもチャンスはあったんだ」

「今、キョウゴはそれを決めなければならない。彼も分かっている。ピッチに立ち、あの決める本能を出さなければいけない。彼はゴールを決めるためにここにいるんだ。だからこそ、彼はここに来たのであり、彼もそう信じている。だが、まだそれを証明できていない。このレベル、このクラブで、自分を証明しなければならない。彼もそう熱望している」

　デイビスは「ロッカールーム内では大きく支持されている。みんな彼がうまくやることを望んでいるからだ」と、チームメートのサポートを強調し、古橋の活躍を願った。

「しかし、彼も分かっているが、やってのけなければならないというときもある。それがストライカーの仕事だ」

　古橋は監督の求めと期待に応じることができるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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