「別人のよう」「痛々しいほどだ」3部相手にも苦戦した久保建英の状態にソシエダ番記者は困惑「絶不調だが、監督は彼の起用をためらわない」【現地発】

2025年12月20日 ミケル・レカルデ

「誰もが彼のコンディションは最悪だと…」

精彩を欠く試合が続いている久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 どんなに調子が悪くても、タケ・クボ(久保建英)について議論の余地がないことが一つある。それは、重要な試合になると、どの監督も彼に頼るということだ。レアル・ソシエダにとって、決して崩れることのない方程式である。すでに3人目の監督がベンチに座っているが、イオン・アンソテギの最初の決断は、前任者2人と同じく自身の初陣で日本人アタッカーをスタメンに起用することだった。

 誰もが彼のコンディションは最悪だと言い、中には「指名手配」のポスターを貼って、皮肉を込めて「潜水士(のように動かないヤツ)ですら抜き去ることができない」と言う者までいた。

 しかし、監督たちは分かっているはずだ。タケの置かれた状況、本来のレベル、そのクオリティ、そして日々の練習で見せている姿について、我々の知らない「何か」を彼らは掴んでいるのだ。

 40年間途切れることなく1部で戦ってきたソシエダが、2部リーグに降格した最初のシーズンに、最終節の1つ前の節で、1-2でリードしていた試合で、後半アディショナルタイムに立て続けに2失点して逆転負けを喫し、昇格を逃したことがある。結果的に、ソシエダがリードしている展開で、FWのビクトル・カサデススがGKとの1対1のチャンスを逃したことが響き、試合後に彼は戦犯扱いを受けた。
 
 当時の監督はすぐに、「チーム全員の中から、このようなプレーで心中する相手を選ぶなら、私は常にビクトルを選ぶ」と擁護した。現在のソシエダでも同じことが起きている。タケは絶不調だが、監督たちは彼を起用することをためらわない。

 ソシエダはその敵地でのエルデンセ(3部)とのコパ・デル・レイ3回戦で、勝ち上がるという絶対ノルマを達成した。アンソテギが4-3-3のフォーメーションを採用するのは、誰の目にも明らかだった。タケはまたしてもスランプ脱出に役立っていない、右の白線(ライン)際に張り付くようにポジションを取った。

 ゲデスがサイドでプレーするときにしていることを参考にし、中央に抜け出す近道を見つけることは、自尊心と自信をできるだけ早く取り戻すための興味深い治療法となるだろう。
 

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