【川崎】天王山のヒーローは森谷賢太郎。大久保は「“浦和キラー”ってあるんだなと。素晴らしかった」と大絶賛

2016年08月21日

森谷の「やってやろうという気持ちでいた」の想いが、出場から3分後に結実する。

71分に途中出場した森谷は、その3分後にゴール。この一撃が決勝弾となり、川崎は天王山を制した。

 
 この日のヒーローは、出場から3分で大仕事をやってのけた。
 
 第2ステージ9節の浦和対川崎は、文字どおりの頂上対決だった。同ステージ1位の浦和と2位の川崎、年間勝点1位の川崎と2位の浦和が激突。チャンピオンシップさながらの緊張感のなか、試合は後半途中まで1-1と一進一退の攻防が続いた。
 
 流れを変えるきっかけとなったのは、いわばアクシデントだった。
 
71分、左ウイングバックで先発した中野嘉大が足をつって倒れ込むと、チームメイトから「交代」の合図がベンチに送られる。それを確認した風間八宏監督は、間髪入れずにアップ中の森谷賢太郎を呼んだ。
 
 急きょ投入される形となった森谷だが、並々ならぬ想いでピッチに入ったという。
 
「(トレーニングでは)Aチームに入れてもらっていたけど、それで(試合に)出られないというのは、自分に何かがあるのかなと思っていた。その分、エネルギーが溜まった。今日は久々に出たら、やってやろうという気持ちでいた」
 
 71分に投入されるや、わずか3分後に森谷の想いが結実する。川崎が中央から打開を試みると、こぼれ球に反応した大島僚太から素早く横へ展開。エリア内でボールを受けたエウシーニョが、DFの間を通すように絶妙なラストパスを通す。
 
 浦和の守備組織をかいくぐるように、ひとりの選手が猛然とゴール前に走り込み、決勝ゴールを決めた。それは、大久保嘉人でも小林悠でもなく、3分前に投入されたばかりの森谷だった。
 
「僕がクローサーの時も、あそこ(のスペース)に入れようと考えているので、上手く走り込んだらボールが来た」
 
 最終的に、この一撃が勝負を決定づけた。
 

次ページ「決めるんじゃないかなと思ったら、本当に決めた。素晴らしかった」と大久保も称賛。

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