【岩本輝雄】スケールアップした感のある細谷。レイソルは優勝こそ逃したけど、魅力満載のサッカーに輝く未来を見た

2025年12月06日 岩本輝雄

リカルド監督の手腕が凄いね

抜群の存在感を放っていた細谷。今後のさらなる成長に期待! 写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J1最終節]柏 1-0 町田/12月6日/三協フロンテア柏スタジアム

 惜しかったね。首位アントラーズを勝点1差で追う2位のレイソル。引き分け以上で逆転優勝の可能性があった。最終節で町田に1-0で勝利。やるべきことはやった。でも、マリノスに勝利したアントラーズが優勝を飾った。

 久しぶりに日立台へ足を運んだよ。バックスタンドの真ん中あたりで観戦。レイソルのパスサッカーを存分に堪能できた。町田は決して簡単な相手ではないし、後半から出場したオ・セフンにちょっとてこずったけど、トータルで見れば、レイソルが優位に立っていたと思う。

 そのなかで強く印象に残ったのが細谷。以前に比べてパワフルになったような気がする。町田の屈強な3バックに対して、全然負けていない。がっちりとキープして、時には相手を吹っ飛ばすほどで、強靭なポストプレーで前線の起点となっていた。

 身体の使い方も向上したように思う。相手に寄せられてもブレない。安定感がより高まったし、とにかく一つひとつのプレーが力強い。より逞しくなったなって。

 裏への抜け出しも絶妙。ここっていうタイミングでグッと前に出る。フォワードとしてスケールアップした感がある。まだA代表に定着できていないけど、このまま成長すれば、来年のワールドカップも十分に狙えるはず。海外移籍のチャンスがあれば、チャレンジしてみてもいいかもしれないけど、もう少しレイソルで見てみたいね。
 
"核"となる選手がいるレイソルは、やっているサッカーが面白いし、完成度も高い。スペインのサッカーみたいだよね。個々の選手が流動的に動いて、誰かが空けたスペースをすぐ埋めるし、そこの使い方もうまい。方向性が統一されていて、ベクトルが揃っていて、みんなが迷いなくプレーできている。

 就任1年目でここまで落とし込んだリカルド監督の手腕が凄いね。最後まで優勝争いに絡んだし、タイトルを取れなかったけど、胸を張っていいシーズンだったんじゃないかな。このサッカーがもっと成熟すれば、かなり強いチームになると思う。来年が楽しみだね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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