モチベーションを保つのは、簡単ではないかもしれない。

　J１第36節の結果により、横浜FCの18位以下が確定。J２降格が決まっているが、シーズンは２試合がまだ残されている。

　11月30日にホームで京都サンガF.C.と、12月６日に敵地でセレッソ大阪と相まみえる。たとえ連勝しても、残留できるわけではない。大きな目標を失ったなかでも、選手たちはピッチに向かう。

「プロとしての姿勢を見せなければいけないって、みんな言うと思う。もちろん、それはそう」と話す伊藤翔は、「（試合に）来てくれる人たちの満足感じゃないけど、それを感じてもらえるように」と続ける。

　応援してくれるファン・サポーターの想いに応えたい。ガッカリさせたくない。それと同時に、自分自身にも矢印を向ける。

「個人個人がどういう風に振る舞っていくか。最後、難しい状況で何ができるか。それは選手としても大事だし、"お前はどういう人間なんだ"っていうところが問われているとは思う。そういう意味では、人間力を試されているんじゃないかな」
 

　結果は出ているとはいえ、いわゆる"消化試合"でも、これまでと同じテンションでプレーできるか。プロとしての責務を全うできるか。それが後の人生にも繋がっていくとも伊藤は考えている。

　様々な感情を抱えているのは間違いない。それでも伊藤は潔く「シンプルに、やるんだったら全力でやったほうが気持ちいいじゃん」と口にし、今季を締めくくろうとしている。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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