指揮官も本音「チームにとってプラスしかないです」
敵地で大宮に逆転勝利の徳島。途中出場の岩尾(8番)は堅実なプレーでチームを引き締めた。(C)SOCCER DIGEST
[J2第37節]大宮 1-2 徳島/11月23日/NACK5スタジアム大宮
最終盤になってもJ1昇格クラブが決まらないという大混戦になっている2025年J2。第36節時点でプレーオフ圏内の5位につける徳島ヴォルティスも自動昇格を狙える状況だった。
彼らはラスト2戦の相手が昇格争いのライバルであるRB大宮アルディージャとV・ファーレン長崎。この時点では大宮が3位、長崎が2位だったが、いずれにしても自分たちが勝たなければ道は開けてこない。強い覚悟を持って11月23日のアウェー大宮戦に挑んだ。
ご存じの通り、今季の徳島のキャプテンは、2024年夏に2年半ぶりに戻ってきた岩尾憲。だが、37歳の大ベテランは開幕から怪我に悩まされ、一度もリーグ戦に出られないまま、ここまで来てしまった。けれども、11月9日の36節・ヴァンフォーレ甲府戦でようやく戦線復帰し、76分から出場。クローザーとして良い働きを見せた。
「ウチには永木亮太という選手がいて、今年は渡大生が前線から引っ張ってくれていたが、永木が怪我をしたタイミングで岩尾が戻ってきてくれた。本当に運命というか、神様がそうしてくれたのか分かりませんが、キャプテンが戻ってきてくれたことで、精神的な部分や戦術的な理解度、チームの落ち着きも生まれた。チームにとってプラスしかないです」と、昨季途中から指揮を執る増田功作監督も偽らざる本音を打ち明けた。それだけ岩尾の存在価値は大きいのだ。
最終盤になってもJ1昇格クラブが決まらないという大混戦になっている2025年J2。第36節時点でプレーオフ圏内の5位につける徳島ヴォルティスも自動昇格を狙える状況だった。
彼らはラスト2戦の相手が昇格争いのライバルであるRB大宮アルディージャとV・ファーレン長崎。この時点では大宮が3位、長崎が2位だったが、いずれにしても自分たちが勝たなければ道は開けてこない。強い覚悟を持って11月23日のアウェー大宮戦に挑んだ。
ご存じの通り、今季の徳島のキャプテンは、2024年夏に2年半ぶりに戻ってきた岩尾憲。だが、37歳の大ベテランは開幕から怪我に悩まされ、一度もリーグ戦に出られないまま、ここまで来てしまった。けれども、11月9日の36節・ヴァンフォーレ甲府戦でようやく戦線復帰し、76分から出場。クローザーとして良い働きを見せた。
「ウチには永木亮太という選手がいて、今年は渡大生が前線から引っ張ってくれていたが、永木が怪我をしたタイミングで岩尾が戻ってきてくれた。本当に運命というか、神様がそうしてくれたのか分かりませんが、キャプテンが戻ってきてくれたことで、精神的な部分や戦術的な理解度、チームの落ち着きも生まれた。チームにとってプラスしかないです」と、昨季途中から指揮を執る増田功作監督も偽らざる本音を打ち明けた。それだけ岩尾の存在価値は大きいのだ。
大宮との大一番もベンチスタート。ただ、これまでマークを巻くことの多かった渡から「試合前のロッカールームで一言、話してほしい」と打診を受け、岩尾は徳島の現在地と強みを再確認するような声かけをしたという。
「我々は最少失点(36節時点で22)であり、高木友也が4点、エウソン(エウシーニョ)が3点という得点力のある両ウイングがいる。ボランチの運動量と技術・ハードワーク、大生のリーダーシップ、外国人選手たちのクオリティといった部分を含めて、不安を感じてピッチに入る必要はまったくないと。そういう話をさせてもらいました」と本人も静かに言う。
キャプテンの説得力ある話に背中を押されたのか、この日の徳島の選手たちはスタートからタフさと激しさを前面に押し出した。14分にオリオラ・サンデーの一撃を浴び、ビハインドを背負ったのは想定外だったのかもしれないが、失点後も彼らの闘争心が揺らぐことはなかった。
そして30分、岩尾の代わりに長くチームを引っ張った渡が同点弾をゲット。これは彼自身の徳島での49ゴール目で、クラブ歴代最多得点記録を更新する形にもなった。
この1点で弾みのついた徳島は、わずか4分後に逆転に成功する。GK田中颯のロングキックを起点に前線のルーカス・バルセロスがDFと競り、児玉駿斗がボールを奪取。渡からトニー・アンデルソンにつながり、スルーパスがバルセロスに通ってゴール。前半のうちに2-1とひっくり返すことに成功したのだ。
となれば、後半の大宮は凄まじい猛攻を仕掛けてくるはず。案の定、宮沢悠生監督は杉本健勇、谷内田哲平ら持ち駒を次々と投入。矢継ぎ早にクロスを入れてゴールをこじ開けようとした。
守備一辺倒になっていた78分、増田監督が満を持して送り出したのが、キャプテンの岩尾である。
「今日の15分間はビルドアップとかボールを供給するとか、自分が本来、得意としているプレーは選択できないと思っていた。『したいプレー』じゃなくて『必要なプレー』をしなきゃいけないなと思っていたので、守備のところで穴を作らず、危ないと思ったら戻すこと。そして相手はクロスがストロングなので、一発でやられないことは意識しました」と本人も冷静に語る。
「我々は最少失点(36節時点で22)であり、高木友也が4点、エウソン(エウシーニョ)が3点という得点力のある両ウイングがいる。ボランチの運動量と技術・ハードワーク、大生のリーダーシップ、外国人選手たちのクオリティといった部分を含めて、不安を感じてピッチに入る必要はまったくないと。そういう話をさせてもらいました」と本人も静かに言う。
キャプテンの説得力ある話に背中を押されたのか、この日の徳島の選手たちはスタートからタフさと激しさを前面に押し出した。14分にオリオラ・サンデーの一撃を浴び、ビハインドを背負ったのは想定外だったのかもしれないが、失点後も彼らの闘争心が揺らぐことはなかった。
そして30分、岩尾の代わりに長くチームを引っ張った渡が同点弾をゲット。これは彼自身の徳島での49ゴール目で、クラブ歴代最多得点記録を更新する形にもなった。
この1点で弾みのついた徳島は、わずか4分後に逆転に成功する。GK田中颯のロングキックを起点に前線のルーカス・バルセロスがDFと競り、児玉駿斗がボールを奪取。渡からトニー・アンデルソンにつながり、スルーパスがバルセロスに通ってゴール。前半のうちに2-1とひっくり返すことに成功したのだ。
となれば、後半の大宮は凄まじい猛攻を仕掛けてくるはず。案の定、宮沢悠生監督は杉本健勇、谷内田哲平ら持ち駒を次々と投入。矢継ぎ早にクロスを入れてゴールをこじ開けようとした。
守備一辺倒になっていた78分、増田監督が満を持して送り出したのが、キャプテンの岩尾である。
「今日の15分間はビルドアップとかボールを供給するとか、自分が本来、得意としているプレーは選択できないと思っていた。『したいプレー』じゃなくて『必要なプレー』をしなきゃいけないなと思っていたので、守備のところで穴を作らず、危ないと思ったら戻すこと。そして相手はクロスがストロングなので、一発でやられないことは意識しました」と本人も冷静に語る。