金田喜稔がボリビア戦を斬る!「劣勢の流れを途中出場の3人が変えた。上田綺世はまるで大迫勇也みたいだった」

2025年11月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

遠藤航もうかうかしていられないだろう

途中出場で印象的な活躍を見せた上田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[国際親善試合]日本 3-0 ボリビア/11月18日/国立競技場

 年内最後の代表戦。日本は国際親善試合でボリビアと対戦し、3-0で勝利した。

 開始4分に日本はさっそく先制する。久保建英のクロスから鎌田大地が胸トラップして、左足で決めてみせた。

 このシーンで、個人的に注目したのが前田大然の動き。鎌田がシュートするタイミングで、前田は相手に身体をぶつけてシュートコースを作っていた。これはファインプレーだよ。

 幸先良くリードを奪った日本だけど、勢いをあまり出せなかったね。立ち上がりに1対1のチャンスをモノにできなかった小川航基は、23分のヘディングシュートも決め切れなかった。
 
 ボリビアはやはり南米らしさがあるチームだった。失点したものの、その後は独特のリズムで日本を押し込んでいく。

 後半に入ってからも日本はペースを掴めずにいた。クリアで逃げることや、前へのパスが繋がらないことが多かった。こうなる前に攻撃のパターンや、前線のターゲットマンの変更を行なうべきだったよね。

 日本は67分に上田綺世、中村敬斗、町野修斗を投入した。そこからはより前を向いたサッカーができるようになる。明らかに劣勢の流れを途中出場の3人が変えたよね。

 71分には追加点が生まれる。右サイドの堂安律のパスに抜け出した中村がクロスを入れる。これを町野が押し込んだ。

 町野は良いキャラだよね。彼の本来のポジションはセンターフォワードだが、この試合ではシャドーで使われた。トップとシャドーの2つのポジションを器用にできる選手はなかなかいない。町野はこのスタイルを日本代表で構築して、アピールをしていけば良いと思うよ。

 そして、上田のプレーは印象的だった。相手に身体をぶつけて、しっかりとキープ。保持したボールを中盤に落とすことで、日本はマイボールの状態で押し上げられるようになった。

 78分の日本の3点目でも、上田の良さが際立っていたよね。瀬古歩夢の縦パスを引き出して、ボディフェイントで相手をかわして縦に抜ける。ボックス内に進入し、横パスで中村のゴールをアシストした。

 このプレーができるのは素晴らしい。足もとのボールに対して、身体を張りながらキープして、決定的な仕事につなげる。まるで大迫勇也みたいだったよ。

 ゲームを変えられる選手がベンチに控えているのは、すごく大きなこと。ボリビア戦のサブメンバーを見ても、先発してもおかしくない選手ばかり。森保一監督にとって、来年の北中米ワールドカップに臨むメンバーを決めるのは、かなり難しいと思う。

 2-0で勝利したガーナ戦を含め、11月シリーズの2試合では、中盤の佐野海舟や田中碧、鎌田が良いプレーを見せた。キャプテンの遠藤航もうかうかしていられないだろうなと感じる結果だったけど、もっとも、それだけ層が厚くなったということだろう。

 それをボリビア戦でも証明して、勝利を掴んだ。チームにとっても、スタッフ陣にとっても、さらに自信を深める一戦となったのではないかな。

【著者プロフィール】
金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、67歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜FM)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。

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