強固な相手の守備をこじ開けることができず
J1初昇格がかかった大宮戦は0-2敗戦。チャンスをモノにできなかった。写真:滝川敏之
2000年からJ2に在籍し、「J2の門番」と言われてきた水戸ホーリーホック。これまでの最高成績は、2003年と19年の7位で、過去に一度もJ1昇格プレーオフに参戦したことがなければ、降格もない。
その水戸が今季は長く首位をキープ。11月2日のJ2第35節・ヴァンフォーレ甲府戦も1-0で競り勝ち、勝点を67に伸ばしたことで、悲願のJ1初昇格に王手をかけていた。
迎えた9日の36節・RB大宮アルディージャ戦。この試合に勝利し、他会場の結果次第では、J1自動昇格圏の2位以上を確定できる。だが、自動昇格の可能性を残す大宮も非常にしぶとく、容易に隙を作らせてくれない。
「自分たちの前線は最近、1トップで、後ろに2シャドーという立ち位置になるんですけど、今日はあえて2トップタイプにして、しっかりとパスを競ってセカンドを拾っていこうとした。大宮さんの背後、アンカー脇を狙ったところがありました」と森直樹監督は発言。最前線に粟飯原尚平を抜擢し、多田圭佑と組ませたのは、そういう理由があったのだ。
水戸はストロングである守備強度とデュエルの強さを押し出し、ボールを奪って多田や粟飯原を起点に素早く攻めるという形は、確かに具現化できていた。けれども、この日の大宮の守備は強固で、それをこじ開けるところまでは至らなかった。
今季8ゴールを挙げている頼みの左サイド・齋藤俊輔も徹底マークを受け、得意のドリブル突破を見せられるシーンが少なかった。
その水戸が今季は長く首位をキープ。11月2日のJ2第35節・ヴァンフォーレ甲府戦も1-0で競り勝ち、勝点を67に伸ばしたことで、悲願のJ1初昇格に王手をかけていた。
迎えた9日の36節・RB大宮アルディージャ戦。この試合に勝利し、他会場の結果次第では、J1自動昇格圏の2位以上を確定できる。だが、自動昇格の可能性を残す大宮も非常にしぶとく、容易に隙を作らせてくれない。
「自分たちの前線は最近、1トップで、後ろに2シャドーという立ち位置になるんですけど、今日はあえて2トップタイプにして、しっかりとパスを競ってセカンドを拾っていこうとした。大宮さんの背後、アンカー脇を狙ったところがありました」と森直樹監督は発言。最前線に粟飯原尚平を抜擢し、多田圭佑と組ませたのは、そういう理由があったのだ。
水戸はストロングである守備強度とデュエルの強さを押し出し、ボールを奪って多田や粟飯原を起点に素早く攻めるという形は、確かに具現化できていた。けれども、この日の大宮の守備は強固で、それをこじ開けるところまでは至らなかった。
今季8ゴールを挙げている頼みの左サイド・齋藤俊輔も徹底マークを受け、得意のドリブル突破を見せられるシーンが少なかった。
「ここ最近は自分の右足を警戒されているのは分かりますし、そのなかでも違いを作らなきゃいけない。本当にうまく周りを使ってやっていかないと、ここから上には行けないなという感じですね」と、U-22日本代表のキーマンは危機感を募らせていた。大宮にU-20W杯で共闘した市原吏音がいたことも、マークを受けやすい環境になってしまったのだろう。
それでも齋藤には決定機が1つあった。74分、自身が右サイドに展開し、山本隼大の折り返しにフリーで飛び込んだシーンだ。しかし、シュートは惜しくも枠の上。ネットを揺らせなかった。
「あそこで点を取っていたら、今日は勝っていたと思いますし、本当に試合を1つ分けるシーンだったと思います」と本人も反省の弁を口にするしかなかった。
その直後に大宮の杉本健勇に右CKから一撃を食らい、さらに87分にも同じ右CKから杉本の追加点を浴びたのだから、悔しさはひとしおだったに違いない。
リスタートは水戸にとっても大きな武器で、この日も粟飯原や飯田貴敬らがビッグチャンスを迎えたが、それも仕留め切れない。最後まで1点が遠かった水戸は、0-2で敗戦。森監督は「最後の質で力負けした」と認める。J1昇格決定は次節以降に持ち越しとなってしまった。
「相手の攻撃陣が足の速い選手と大きい選手が入れ替わってくるなかで、僕らのセンターバックは流れのなかで失点していない。あそこまで頑張ってくれていたので、本当に報われてほしいと思っていたんですけど、自分たちは最後のところで決め切れなかった。
簡単に決め切るべき場面でもゴールの枠にさえ飛ばないっていうところで、最後の質、クオリティの問題なのかなと感じた。そこで相手に上回られたと思いました」
キャプテンマークを巻く大崎航詩が苦渋の表情を浮かべた通り、今季13ゴールの渡邉新太が怪我で長期離脱した9月末以降の水戸は、得点力の課題が顕著になっている。10月26日の34節・北海道コンサドーレ札幌戦(1-0)は齋藤のスーパー弾、続く甲府戦は加藤千尋の一発で勝ち切ったものの、得点パターンが今ひとつ物足りない部分はある。
それでも齋藤には決定機が1つあった。74分、自身が右サイドに展開し、山本隼大の折り返しにフリーで飛び込んだシーンだ。しかし、シュートは惜しくも枠の上。ネットを揺らせなかった。
「あそこで点を取っていたら、今日は勝っていたと思いますし、本当に試合を1つ分けるシーンだったと思います」と本人も反省の弁を口にするしかなかった。
その直後に大宮の杉本健勇に右CKから一撃を食らい、さらに87分にも同じ右CKから杉本の追加点を浴びたのだから、悔しさはひとしおだったに違いない。
リスタートは水戸にとっても大きな武器で、この日も粟飯原や飯田貴敬らがビッグチャンスを迎えたが、それも仕留め切れない。最後まで1点が遠かった水戸は、0-2で敗戦。森監督は「最後の質で力負けした」と認める。J1昇格決定は次節以降に持ち越しとなってしまった。
「相手の攻撃陣が足の速い選手と大きい選手が入れ替わってくるなかで、僕らのセンターバックは流れのなかで失点していない。あそこまで頑張ってくれていたので、本当に報われてほしいと思っていたんですけど、自分たちは最後のところで決め切れなかった。
簡単に決め切るべき場面でもゴールの枠にさえ飛ばないっていうところで、最後の質、クオリティの問題なのかなと感じた。そこで相手に上回られたと思いました」
キャプテンマークを巻く大崎航詩が苦渋の表情を浮かべた通り、今季13ゴールの渡邉新太が怪我で長期離脱した9月末以降の水戸は、得点力の課題が顕著になっている。10月26日の34節・北海道コンサドーレ札幌戦(1-0)は齋藤のスーパー弾、続く甲府戦は加藤千尋の一発で勝ち切ったものの、得点パターンが今ひとつ物足りない部分はある。