後半終盤に先制したが
残留を決めた岡山に対し、土壇場で追いつかれた川崎。悔しいドローとなった。(C)SOCCER DIGEST
[J1第36節]川崎 1-1 岡山/11月8日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
「最後のワンプレーで台無しになってしまった」
長谷部茂利監督が厳しい言葉を発した岡山とのゲームは、川崎にとって悔しき1-1のドローとなった。
J1初挑戦ながら勝点1でも積めば、2試合を残して残留を決められる岡山に対し、チャンスを作った川崎は、84分にこの日はベンチスタートだった山本悠樹のシュートが岡山の右ウイングバックの松本昌也のブロックによってコースが変わりネットへ。欲しかった先制点を奪うと、指揮官は、最後の交代カードとしてアタッカーの伊藤達哉を下げて左SB田邉秀斗を投入した。
3-4-2-1の岡山のウイングバックをケアする狙いがあったはずだが、試合終了間際に川崎は右サイドからMF佐藤龍之介にクロスを入れらえると、逆サイドで対応した田邉は競った松本に値千金の同点弾を決められ、勝点1を分け合う形となった。
試合後に見られたのは手やユニホームで顔を覆いながら悔いる田邉の姿であった。
確かに松本をケアすべきだった田邉の守備は課題が残ったと言える。「オウンゴールだと思った。(課題は)マークと言いますか立ち位置のところ」と田邉本人が振り返ったように、先にヘッドでクリアをしようとボールに触れたように映った田邉だが、それと同時に松本に頭で合わせられて失点した。
クローザーとして起用されただけに、痛恨のプレーであり、失点が続いていたチームとしてもここ2週間、クリーンシートを果たそうとクロス対応などに取り組んできた背景もあり、大きな責任を感じたのだろう。
もっとも、彼にすべての責を負わすべきではないとも感じる。
失点シーンは山本の逆サイドへのパスをカットされたところから始まっており、相手にクロスを送られた右サイドのMF家長昭博、SBファンウェルメスケルケン際も全速力で戻ってカウンターの勢いを止めたとはいえ、寄せ切れずにクロスを上げられている。
「ゴールはみんなのお陰、失点はみんなの責任。それぞれが自分に矢印を向けるべき」
キャプテンの脇坂泰斗もそう語り、修正すべきポイントを説明した。
「前半のところで決め切れるチャンスはありましたし、後半もそうですが、チャンスを作る作業はもっとできたかなと感じます。相手がマンツーマン気味でくるなかで、1対1の局面が多くなりましたが、そういう状況でも2対1を作りにいくとか、離れてポジションを取って受けたりする関わりとかはもっとできる。相手の土俵で戦ってしまった時間もあるので、周りのサポートやボールホルダーも、もっとやっていかないといけないと思います。もっと上回りたかったです。
ゲームの締め方も難しいゲームでも最後の最後で勝ち切るところは、優勝するためには絶対に大事。なので戦い方を含めて締め方も重要になります。
(試合終盤は)ボールを持ってコントロールするのか、ボールを持たせてコントロールするのか、両方でコントロールをしたい。ボールを持っていてもコントロールできていない時もありますし、最後のシーンはコーナーのところまで持って行くというサインは出ていたので、それをチーム全員でやっていく必要がある。クロスからの失点は練習していたなかでやられてしまったが、試合を通じて良くはなっている。ただその分、結果につながらないとネガティブになってしまう。
監督は良くはなっていると言っていましたが、やり続けてゲームで結果を出さないと意味がない。もっと声掛けの部分や準備を含めて全員で防げた失点だったと思うので取り組んでいかないといけないと感じます。
やられた選手は自分に矢印を向けてやると思いますが、一人ひとりが矢印を向けながらチーム全員でゲームの締め方は合わせないといけないと思う。(終盤の交代で)キャプテンとして外で見ていたのでベンチにいても気付いたら言えることはあると思うし、そういったところはやり続けたい。
最後ああやってやられてしまったのは、(田邉)秀斗ですが、あそこに至るところで防ぐチャンスはあった。失う前のところでももっと良い選択はあったと思うし、そういうところはチーム全員で失敗から学んでやっていかないと、細かいところを詰めていかないと絶対に優勝はできない。
ただ逆に細かいところを詰めれば、より強いチームになると思うし、(シーズンは)あと2試合ですが、意識だけで変わるところはすぐにでも変えられるし、やり続けているところは少しずつ変えたり、まだまだのところはあるので、その繰り返しで成長していきたいです」
「最後のワンプレーで台無しになってしまった」
長谷部茂利監督が厳しい言葉を発した岡山とのゲームは、川崎にとって悔しき1-1のドローとなった。
J1初挑戦ながら勝点1でも積めば、2試合を残して残留を決められる岡山に対し、チャンスを作った川崎は、84分にこの日はベンチスタートだった山本悠樹のシュートが岡山の右ウイングバックの松本昌也のブロックによってコースが変わりネットへ。欲しかった先制点を奪うと、指揮官は、最後の交代カードとしてアタッカーの伊藤達哉を下げて左SB田邉秀斗を投入した。
3-4-2-1の岡山のウイングバックをケアする狙いがあったはずだが、試合終了間際に川崎は右サイドからMF佐藤龍之介にクロスを入れらえると、逆サイドで対応した田邉は競った松本に値千金の同点弾を決められ、勝点1を分け合う形となった。
試合後に見られたのは手やユニホームで顔を覆いながら悔いる田邉の姿であった。
確かに松本をケアすべきだった田邉の守備は課題が残ったと言える。「オウンゴールだと思った。(課題は)マークと言いますか立ち位置のところ」と田邉本人が振り返ったように、先にヘッドでクリアをしようとボールに触れたように映った田邉だが、それと同時に松本に頭で合わせられて失点した。
クローザーとして起用されただけに、痛恨のプレーであり、失点が続いていたチームとしてもここ2週間、クリーンシートを果たそうとクロス対応などに取り組んできた背景もあり、大きな責任を感じたのだろう。
もっとも、彼にすべての責を負わすべきではないとも感じる。
失点シーンは山本の逆サイドへのパスをカットされたところから始まっており、相手にクロスを送られた右サイドのMF家長昭博、SBファンウェルメスケルケン際も全速力で戻ってカウンターの勢いを止めたとはいえ、寄せ切れずにクロスを上げられている。
「ゴールはみんなのお陰、失点はみんなの責任。それぞれが自分に矢印を向けるべき」
キャプテンの脇坂泰斗もそう語り、修正すべきポイントを説明した。
「前半のところで決め切れるチャンスはありましたし、後半もそうですが、チャンスを作る作業はもっとできたかなと感じます。相手がマンツーマン気味でくるなかで、1対1の局面が多くなりましたが、そういう状況でも2対1を作りにいくとか、離れてポジションを取って受けたりする関わりとかはもっとできる。相手の土俵で戦ってしまった時間もあるので、周りのサポートやボールホルダーも、もっとやっていかないといけないと思います。もっと上回りたかったです。
ゲームの締め方も難しいゲームでも最後の最後で勝ち切るところは、優勝するためには絶対に大事。なので戦い方を含めて締め方も重要になります。
(試合終盤は)ボールを持ってコントロールするのか、ボールを持たせてコントロールするのか、両方でコントロールをしたい。ボールを持っていてもコントロールできていない時もありますし、最後のシーンはコーナーのところまで持って行くというサインは出ていたので、それをチーム全員でやっていく必要がある。クロスからの失点は練習していたなかでやられてしまったが、試合を通じて良くはなっている。ただその分、結果につながらないとネガティブになってしまう。
監督は良くはなっていると言っていましたが、やり続けてゲームで結果を出さないと意味がない。もっと声掛けの部分や準備を含めて全員で防げた失点だったと思うので取り組んでいかないといけないと感じます。
やられた選手は自分に矢印を向けてやると思いますが、一人ひとりが矢印を向けながらチーム全員でゲームの締め方は合わせないといけないと思う。(終盤の交代で)キャプテンとして外で見ていたのでベンチにいても気付いたら言えることはあると思うし、そういったところはやり続けたい。
最後ああやってやられてしまったのは、(田邉)秀斗ですが、あそこに至るところで防ぐチャンスはあった。失う前のところでももっと良い選択はあったと思うし、そういうところはチーム全員で失敗から学んでやっていかないと、細かいところを詰めていかないと絶対に優勝はできない。
ただ逆に細かいところを詰めれば、より強いチームになると思うし、(シーズンは)あと2試合ですが、意識だけで変わるところはすぐにでも変えられるし、やり続けているところは少しずつ変えたり、まだまだのところはあるので、その繰り返しで成長していきたいです」
また守護神の山口瑠伊も指摘する
「まずクロスを上げられているところも、もっと厳しく言わないといけないですし、田邉選手自身もプロとして自分で分かっているはず。(その経験を)もちろんポジティブにやっていけるように、今後につなげて結果を出せるように、(田邉に)声掛けをしていきたいです」
冒頭の言葉のように厳しい表現もあった長谷部監督だが、「狙いはいくつか良いところもあった。悪いゲームではなかったと思います」とも語っている。
ポジティブに考えれば「課題はハッキリしている。(先輩に声を)掛けられている自分も情けない」と話した田邉がこの悔しさをしっかり受け止め成長の糧にし、チームとしてもさらに意識を高めて自分たちを律することができれば、岡山戦のドローにも意味は見い出せるのだろう。
試合後のミックスゾーン、ショッキングな試合後には「今日はちょっと...」と暗黙の了解のように質問に応えずに通り過ぎる選手もいるなかで、目や頬がやや赤く見えたが、田邉は上手く言葉にできないなかでも質問に対応した。
悔しい経験は誰にだってある。それでも反省すべきところは反省し、奮い立つ姿が何より重要なのだろう。そしてチームとしても課題を共有し、残りのリーグ2戦に向かう必要がある。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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「まずクロスを上げられているところも、もっと厳しく言わないといけないですし、田邉選手自身もプロとして自分で分かっているはず。(その経験を)もちろんポジティブにやっていけるように、今後につなげて結果を出せるように、(田邉に)声掛けをしていきたいです」
冒頭の言葉のように厳しい表現もあった長谷部監督だが、「狙いはいくつか良いところもあった。悪いゲームではなかったと思います」とも語っている。
ポジティブに考えれば「課題はハッキリしている。(先輩に声を)掛けられている自分も情けない」と話した田邉がこの悔しさをしっかり受け止め成長の糧にし、チームとしてもさらに意識を高めて自分たちを律することができれば、岡山戦のドローにも意味は見い出せるのだろう。
試合後のミックスゾーン、ショッキングな試合後には「今日はちょっと...」と暗黙の了解のように質問に応えずに通り過ぎる選手もいるなかで、目や頬がやや赤く見えたが、田邉は上手く言葉にできないなかでも質問に対応した。
悔しい経験は誰にだってある。それでも反省すべきところは反省し、奮い立つ姿が何より重要なのだろう。そしてチームとしても課題を共有し、残りのリーグ2戦に向かう必要がある。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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