シュート35本でまさかの0点。敵GKの顔にはいくつもの傷。ニューカレドニアに0-0ドロー。日本が痛感した1点の重み【現地発】

2025年11月07日 松尾祐希

2試合を終えて勝点4の2位

マギージェラニー(18番)や吉田らが果敢にゴールに迫ったが、得点には至らず。日本はニューカレドニアと0-0で引き分けた。写真:佐藤博之

[U-17W杯]日本 0-0 ニューカレドニア/11月6日/Aspire Zone – Pitch1

 試合が終わった瞬間、ニューカレドニアの選手たちは、勝利を掴んだかのように喜んだ。ピッチ上では雄叫びがあがり、ベンチでも大はしゃぎ。一方で日本側は、グループステージ敗退が決まったかのような雰囲気。選手たちは落胆した様子でロッカールームに引き上げていった。

 11月6日に行なわれたU-17ワールドカップのGS第2節。廣山望監督が率いる日本はニューカレドニアと対戦し、スコアレスドローに終わった。

 戦前の予想では、日本に分があると見られた。一瞬の隙を突かれてのカウンターは警戒すべきだが、十分に勝点3が計算できる相手だった。

 実際に日本は立ち上がりから押し込み、優位に試合を進める。しかし、ゴールが遠い。特に前半は綺麗に崩そうとする傾向があり、廣山監督から「シュートを打つのは誰だ」という声が出るほど。ボールを保持できる展開で「逆に自分たちをやりづらくさせた」とFW吉田湊海(鹿島ユース/2年)が振り返ったように、ゴールに向かう姿勢がやや物足りなかった。

 後半はより攻勢を強める。ラフなボールをゴール前に入れ、強引にシュートを放つシーンが増える。前半は慎重なプレーが目立った右ウイングバックのDF竹野颯太(神村学園/2年)も、得意の高速クロスでチャンスを呼び込んだ。

 62分には右サイドを抜け出したFW浅田大翔(横浜)の折り返しに、ニアでFWマギージェラニー蓮(琉球U-18/2年)が合わせたが、相手GKのファインセーブに阻まれた。70分には吉田が鮮やかな胸トラップからオーバーヘッドを試みるも、決め切れない。

 90+6分に浅田がネットを揺らしたが、FVS(リクエスト方式のビデオ判定)の結果、直前のプレーでファウルが認められて得点は取り消しに。最終的に日本は35本のシュートを放ちながら、一度もネットを揺らせなかった。
 
 この結果をどう受け止めるか。日本が力で上回っていたのは間違いない。だが、この試合では相手の方が戦う姿勢を前面に押し出し、なんとか勝点を得ようと必死に戦っていた。ミックスゾーンに現われたGKニコラス・クトランは顔にいくつもの傷を作っており、身体を張って守り続けたことが見て取れた。

 ゴールを奪えなければ、勝利は掴めない。ニューカレドニアの熱い闘いぶりと比べると、もちろん日本も懸命には戦っていたが、どちらかと言えばスマートにプレーし過ぎていたように思える。どんな形でも1点。泥臭くゴールを狙う姿勢がもっとあっても良かったのではないか。

「ゴール前まで行っても、最後のところで絶対に決めないといけない」とはマギージェラニーの言葉。この試合で選手たちは1点の重みを理解したはずだ。2試合を終えて勝点4の2位。ノックアウトステージ進出に有利な状況ではある。ニューカレドニア戦を意味あるものにできるか。ポルトガルとの第3戦でも貪欲にゴールを目ざし、目に見える結果を出したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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