絶望的な前半からなぜ日本は3-2に? 決勝弾のストライカーが明かす「逆転劇の決定打」【ブラジル戦】

2025年10月15日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

いろんな要素があるはずだが

ブラジル戦で決勝ゴールを決めた上田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 にわかには信じ難い逆転劇だった。"王国"ブラジルを相手に前半だけで0−2とリードされながら、52分の南野拓実のゴールをきっかけに試合をひっくり返して3−2で勝利するなんて──。

 正直、ブラジルをリスペクトしすぎた前半は厳しい内容だった。2025年10月14日、日本は東京スタジアムで"韓国対ブラジル戦(0−5)"の再現になるのではないかと思わせるパフォーマンスだったのだ。絶望的な前半を経て、何が変わったのか。決勝弾の上田綺世に次の質問をぶつけた。

「前半の出来からすると信じられない逆転劇に見えました。あそこからひっくり返すうえでいろんな要素があったはずですが、一番の決定打は何でしたか?」

 すると、上田は「決定打? う~ん、何でしょうね」と考えながら答えてくれた。
 
「0−2で前半を終えてもハーフタイムにネガティブにならなかった。1点取れれば試合の流れは分からなくなるし、自分たちがアグレッシブに点を取りに行く、勝ちに行くこと、一つひとつ前向きにやっていこうと声をかけました。それで1点目が生まれて。後半こうしようということが結果(=1点目)に繋がった点が勢いづいた理由だと思います」

 長友佑都はドイツ、スペインにいずれも逆転勝利できたカタール・ワールドカップの成功体験が今回のブラジル戦で活きたと述べていたが、上田にその感覚はあるのか。

「その粘り強さとか、仮に0−2でもああやって前向きに戦って結局3−2にできる力はある。それを前回のワールドカップでも、今回のブラジル戦でも証明できた」

 ただ、上田は満足していない。ワールドカップ本大会に向けて改善点も示した。

「この戦い方(プレッシング主体の堅守速攻)は前回のワールドカップでもできた。だから、次のワールドカップでは違う形で強豪国と戦いたい。その話から3年前は始まって。もちろんこのブラジル戦も前半から攻撃も守備も僕らの意図はあって、でも隙を突かれてしまって。やっぱり前半からもう少し主導権を握る、もちろん流れによりますけど、もうちょっと違った内容の試合を前半のうちからしないといけません」

 逆転勝利に目を奪われがちだが、前半に2失点しなければ苦しむこともなかった。強豪を相手に前半から主導権を握れるか。そこがワールドカップ優勝への鍵となりそうだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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