「良い意味でどうとも思っていない」”2分1敗・勝てない日本代表”に上田綺世がプロフェッショナルな視点

2025年10月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「前回のW杯もそうでしたよね」

勝てない日本の現状について持論を展開してくれた上田。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 [国際親善試合]日本 2−2 パラグアイ/10月10日/パナソニックスタジアム吹田

 明らかな格下とも対戦したW杯アジア予選と違って、9月以降の親善試合はなかなか勝てない。先の米国遠征ではメキシコにスコアレスドロー、アメリカに0−2と敗れ、10月10日にはパラグアイに2−2と引き分けた。来年開催のW杯出場3か国との対戦で2分1敗と白星を掴めていないのだ。

 どんな試合でも勝ちに行く。これが森保一監督の不変のスタンスであり、そう考えるとある意味、緊急事態なのではないかと、そんな考えが過ぎる。ならばと、パラグアイ戦で同点弾を決めた上田綺世に囲み取材の場で直接聞いてみた。

「前回のW杯に出場した経験を踏まえて、この時期に勝ててない状況をどう考えていますか。上田選手の個人的な感覚で構わないので、教えてください」

 すると、印象的な答が返ってきた。「良い意味でどうとも思っていないです」と。果たして、その真意は?
 
「今結果が出ていたとしてもW杯で同じように行きません。例えばパラグアイに引き分けたから勝点1とか、そういう想定はできますが、今回の結果がW杯に直結するとは思わないし、本番にならないと分からない部分が山ほどあります」

 結局、親善試合とW杯は別物だというわけだ。

「緊張感も違うし、普段できるプレーができなかったり、逆にうまくいく時もある。前回のW杯もそうでしたよね」

 確かに、グループステージでドイツとスペインの両国に勝つとは想像できなかった。

「前回も、その前(ロシアW杯)も、大会前に万全な状態だったことってないじゃないですか。大会前までも難しい、本番はもっと難しい。だから結果がどうっていう捉え方はしていません」

 もちろん上田はそれでも「色々と考えながらやっている」。

「W杯に向けて当然ながらこだわりを持って取り組んでいます。前回はメキシコとアメリカ、今回は南米の2チーム(パラグアイとブラジル)と戦って、自分たちにどれくらいの力があるのか。W杯への模擬試験じゃないですけど、日本の現在地を知るチャンスだと考えています。最大のパフォーマンスを発揮できるようチームで臨んでいますし、仮に勝てなかったとしても良い積み重ねはできています」

 上田の、実にプロフェッショナルな視点である。

 あくまで本番は来年6月のW杯。今勝てないからといって、騒ぎ立てる必要などない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
【画像】パラグアイ&ブラジルと対戦!南米勢との連戦に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!

【画像】日本は何位? 最新FIFAランキングTOP20か国を一挙紹介!アルゼンチンが首位陥落、11年ぶりにトップに返り咲いたのは?

【記事】「もう天才認定」「未来の代表ワントップ」20歳の日本人大型FWが欧州で今季3点目!劇的決勝弾に驚嘆の声!「やっぱすげーや」
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事