身体を張ったプレーが伊藤達哉のゴールにつながる
柏戦で復帰を果たした大島。ゴールにも絡んだが、その後、担架でピッチを後にすることに。写真:鈴木颯太朗
[ルヴァンカップ・準決勝・第1戦]川崎 3-1 柏/10月8日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
ルヴァンカップの決勝進出を懸けた川崎と柏の一戦は、川崎がホームでの第1戦で先勝を果たした。
2-1で迎えた85分には、絶好調の伊藤達哉が公式戦11戦で11ゴール目となるリードを広げる貴重なゴールを奪い、アウェーでの準決勝第2戦へ弾みをつけたが、このゴールの裏には辛いシーンもあった。
伊藤のゴールの前、75分にボランチとして投入されたのが、復帰戦となる川崎の10番、大島僚太であった。
チームが押し込まれるなかで必死にボールを追い、85分には相手陣内左サイドで大島はボールをカット。しかし、次の瞬間、大島は苦悶の表情を浮かべ、その場に倒れ込んでしまう。
この大島が奪ったボールから伊藤の貴重なゴールが生まれたわけだが、その後、大島はプレーに復帰するも、足を引きずる状態。川崎は5人の交代枠を使い切っていただけに、最前線に立ち、チームのために相手になんとかプレッシャーをかけようとしたが、その姿を目にし、すぐ行動に出たのが後輩のキャプテン、脇坂泰斗だった。
脇坂はベンチに叫ぶように大島にプレーをさせるべきではないと直訴する。続行させるか判断しかねていたはずの長谷部茂利監督もその声を聞いてすぐに大島にその場に座るようにと指示を出す。大島は多くの声援を受けながら担架に乗ってピッチを後にすることになったのだ。
脇坂は試合後に語る。
「僚太くんはリハビリだったりで苦しい想いをしている分、チームに貢献したいという想いは人一倍強いと思います。だからこそピッチで自分ができることをやろうとしたはずです。でも、そこで頑張りすぎて長引いてしまうのは、チームにとっても良くないこと。そこはキャプテンとして、無理はさせられないと、10人になるのは腹を括って、そこで失点してしまっても僕はしょうがないと思い、10人で戦い抜きたいと覚悟しました」
ルヴァンカップの決勝進出を懸けた川崎と柏の一戦は、川崎がホームでの第1戦で先勝を果たした。
2-1で迎えた85分には、絶好調の伊藤達哉が公式戦11戦で11ゴール目となるリードを広げる貴重なゴールを奪い、アウェーでの準決勝第2戦へ弾みをつけたが、このゴールの裏には辛いシーンもあった。
伊藤のゴールの前、75分にボランチとして投入されたのが、復帰戦となる川崎の10番、大島僚太であった。
チームが押し込まれるなかで必死にボールを追い、85分には相手陣内左サイドで大島はボールをカット。しかし、次の瞬間、大島は苦悶の表情を浮かべ、その場に倒れ込んでしまう。
この大島が奪ったボールから伊藤の貴重なゴールが生まれたわけだが、その後、大島はプレーに復帰するも、足を引きずる状態。川崎は5人の交代枠を使い切っていただけに、最前線に立ち、チームのために相手になんとかプレッシャーをかけようとしたが、その姿を目にし、すぐ行動に出たのが後輩のキャプテン、脇坂泰斗だった。
脇坂はベンチに叫ぶように大島にプレーをさせるべきではないと直訴する。続行させるか判断しかねていたはずの長谷部茂利監督もその声を聞いてすぐに大島にその場に座るようにと指示を出す。大島は多くの声援を受けながら担架に乗ってピッチを後にすることになったのだ。
脇坂は試合後に語る。
「僚太くんはリハビリだったりで苦しい想いをしている分、チームに貢献したいという想いは人一倍強いと思います。だからこそピッチで自分ができることをやろうとしたはずです。でも、そこで頑張りすぎて長引いてしまうのは、チームにとっても良くないこと。そこはキャプテンとして、無理はさせられないと、10人になるのは腹を括って、そこで失点してしまっても僕はしょうがないと思い、10人で戦い抜きたいと覚悟しました」
思い出すのは、昨季のリーグ最終戦、退任する鬼木達監督が選手全員と握手をかわし、メッセージを送るなか、大島の度重なるリハビリ、努力を見てきた指揮官は「大丈夫、ケガも色々あるかもしれないけど、ここから自分を信じて。やれっから!」と大島を励まし、それを横で聞いて号泣していた脇坂の姿だ。この時、脇坂は涙を我慢していたが、鬼木監督からの「良いキャプテンになれ」という言葉と、「僚太くんならやれるよ」という想いから涙を堪えられなかったという。
そんな積み重ねがあったからこそ、今回の柏戦でも、10人で戦うという厳しい状況を差し引いても、大島に無理をして欲しくないという気持ちが脇坂にはあったのだろう。
後輩CBの佐々木旭も語った。
「僚太さんのブロックからの得点だったので、その点をしっかり優勝につなげていけるように、怪我で出られない選手もいますし、そういう選手のためにもしっかりタイトルを獲りたい。最後に笑って終われるように頑張ります」
また敵将、柏のリカルド・ロドリゲス監督も言葉を残した。
「彼のような偉大な選手のプレーをピッチで観たいというのがサッカーファン誰もが望むことだと思います。私も若い頃、膝を大怪我して手術をしたことがあります。大怪我をすると、個別のリハビリに長い時間を要し、ボールを蹴れずに過ごさなくてはいけず、プロの世界ではなおさら高いレベルに戻るには辛いリハビリが待っています。
彼のように何度も怪我をしてしまうと、その辛い時期を何度も重ねての復帰だったと思います。また辛いリハビリが待っているはずですが、それを乗り越えて彼の素晴らしい才能を再びピッチで表現してくれることを心から願っています」
今回の復帰戦での負傷に最も悔しい想いを抱えているのは大島だろう。それでも多くの人が彼のプレーを待っているのは間違いない。この日、大島がピッチに入った瞬間の盛大な拍手も印象深い。私たちにできるのは彼が辛いリハビリを向き合っていることを決して忘れず、また華麗なプレーを見せてくれることを信じることだけだろう。一歩ずつ、その努力が、笑顔に変わる日を信じたい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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そんな積み重ねがあったからこそ、今回の柏戦でも、10人で戦うという厳しい状況を差し引いても、大島に無理をして欲しくないという気持ちが脇坂にはあったのだろう。
後輩CBの佐々木旭も語った。
「僚太さんのブロックからの得点だったので、その点をしっかり優勝につなげていけるように、怪我で出られない選手もいますし、そういう選手のためにもしっかりタイトルを獲りたい。最後に笑って終われるように頑張ります」
また敵将、柏のリカルド・ロドリゲス監督も言葉を残した。
「彼のような偉大な選手のプレーをピッチで観たいというのがサッカーファン誰もが望むことだと思います。私も若い頃、膝を大怪我して手術をしたことがあります。大怪我をすると、個別のリハビリに長い時間を要し、ボールを蹴れずに過ごさなくてはいけず、プロの世界ではなおさら高いレベルに戻るには辛いリハビリが待っています。
彼のように何度も怪我をしてしまうと、その辛い時期を何度も重ねての復帰だったと思います。また辛いリハビリが待っているはずですが、それを乗り越えて彼の素晴らしい才能を再びピッチで表現してくれることを心から願っています」
今回の復帰戦での負傷に最も悔しい想いを抱えているのは大島だろう。それでも多くの人が彼のプレーを待っているのは間違いない。この日、大島がピッチに入った瞬間の盛大な拍手も印象深い。私たちにできるのは彼が辛いリハビリを向き合っていることを決して忘れず、また華麗なプレーを見せてくれることを信じることだけだろう。一歩ずつ、その努力が、笑顔に変わる日を信じたい。
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