鹿島優勝へのラストピースとなるか。“魅せる”荒木遼太郎がG大阪戦で改めて示した可能性

2025年10月06日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「鹿島のトレーニングで出せたら試合で絶対に通用する」

G大阪戦では79分から出場した荒木。持ち味を示した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第33節]鹿島 0-0 G大阪/10月5日/メルカリスタジアム

 G大阪が5バック気味になる3-4-2-1を採用し、0-0のスコアで推移した一戦。鹿島の鬼木達監督が、5枚目のカードとして大黒柱の鈴木優磨との交代で投入したのが、 MF荒木遼太郎であった。

 チーム切っての技巧派は、鬼木監督が就任した今季のチームで期待を集めたが、リーグ戦では15試合の出場(690分)に限られ 、0得点・1アシストと納得できる結果を残せずにいた。

 だが、この日は、相手の間で積極的にボールを引き出し、華麗にターンしてチャンスを創出。身体のキレを感じさせ、果敢にシュートも放った。蹴りたそうにしていた後半アディショナルタイムのPKは、FW徳田誉が相手GKに阻まれ、0-0のスコアレスドローで試合終了のホイッスルを聞いたが、荒木としては次につながるゲームになったと言えるだろう。

 
 ピッチに立てない日々も、「自信を失わなかった」のが大きかったと振り返る。

「出られない時季は、多少、悔しい想いをしたかもしれませんが、自信を失ったわけじゃない。

 自分で整理しながら、あまりネガティブになりすぎませんでしたし、練習で自分のパフォーマンスを出す。鹿島のトレーニングで出せたら試合で絶対に通用すると思っていたので、そこは自信を失わなかったです」

 まG大阪戦で途中出場から、らしいプレーを披露できたのは「(鈴木)優磨 くんら前線の選手があれだけディフェンスラインを疲れさせたことで、オープンなスペースが生まれて自分は受けられた」とも分析する。

 その意味でも、鹿島が誇る鈴木、レオ・セアラの2トップにに加えて、伸び盛りの徳田も調子を上げ、そこに荒木が加わり、荒木がトップ下のように振る舞う4-2-3-1のシステムが有効的なオプションになれば、残り5戦に向けてもかなり大きい。

 鹿島は2位の京都と勝点5差でラスト5戦に臨む。荒木がJ1制覇へのラストピースになるかは注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!

【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集!

次ページ【動画】鹿島×G大阪のハイライト

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事