千葉との上位決戦で改めて無双した長崎のマテウス・ジェズス。山口蛍&ディエゴ・ピトゥカを含めてもはやJ2の枠を飛び越えていた凄み

2025年10月04日 本田健介(サッカーダイジェスト)

上位対決を2-0で制す

勝利に貢献したマテウス・ジェズス。勝利をサポーターらと喜んだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第32節]千葉 0-2 長崎/10月4日/フクダ電子アリーナ

 昇格を争う2位の長崎と3位の千葉の直接対決。千葉のホームに乗り込んだ長崎にとっては予想以上に苦しい試合となった。

 高木琢也監督も「スタートは本来はもっといきたかったが、アウェーとジェフさんのパワーに屈してしまった」と振り返ったように、相手に押し込まれ、チャンスを作られた。

 しかし、チームとして組織的に戦いながら状況を打開したのは長崎が誇る10番、マテウス・ジェズスだ。3-4-2-1のシャドーに入った助っ人は、技術、パワー、スピード、どれを取ってもレベルが高く、千葉の選手たちが止めようとしても、フィジカルで押し返し、スピードで一気に置き去りにする。

 前半終了間際の長崎の先制点は、CFエジガル・ジュニオのクロスがゴールに吸い込まれた形であったが、カウンターで、M・ジェズスが複数人に囲まれながらも前進し、E・ジュニオとのふたりで攻め切った形であった。

 さらに後半も起点となったM・ジェズスは、72分の右サイドからの展開にも絡み、松本天夢のゴールを生み出している。

 試合終盤にはテクニカルなボールキープを何度も見せ、スタジアムを沸かせた姿も印象的だった。負けられない千葉も気合いの入った素晴らしいパフォーマンスだったが、それを超える異次元のプレーを長崎の10番が示したと言えるだろう。
 
 さらにそのM・ジェズスを活かしつつ、光ったのが山口蛍とディエゴ・ピトゥカのダブルボランチも同様である。状況を読みながらチームをコントロールし、相手に押し込まれる展開でも落ち着いてボールを回す。

 高木監督が「蛍やピトゥカらベテランの選手たちの役割は非常に大きかったと思います」と称賛する働きぶりであった。

 夏にかつて鹿島でもプレーしたD・ピトゥカが加わったことで、山口の攻撃参加もより効果的になった印象である。

 千葉戦の24分にもM・ジェズス、山口の連係で、いわゆる"ゼロの状況"からほぼふたりで決定機的なシュートチャンスを作り出している。

 千葉戦の勝利で翌日に試合を控える水戸を抜いて長崎は暫定首位に浮上。悲願の2度目のJ1へ、頼れるタレントたちが力強く輝いている。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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