小林監督も悔いる
何度もチャンスを作ったが決め切れなかった千葉。長崎に0-2で敗れた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)
[J2第32節]千葉 0-2 長崎/10月4日/フクダ電子アリーナ
自動昇格圏に肉薄する3位の千葉にとってホームで迎えた、2位の長崎との大一番。スタンドには大観衆が詰めかけ、選手たちも今季最高潮とも言えそうなモチベーションで試合に臨んだ。
序盤からインテンシティ高く相手を押し込み、攻撃時は4-4-2のサイドハーフ、イサカ・ゼイン、椿直起も高い位置をキープしながら4トップのような形で押し込んでいく。ボールを奪われた際の切り替え、球際の部分も意識は非常に高く、マテウス・ジェズスら強力なタレントを擁する長崎に対して勇気を持って前に出て、相手を"窒息"させるような、力強さを示してみせた。
敵将の高木琢也監督も「スタートは本来はもっといきたかったが、アウェーとジェフさんのパワーに屈してしまった」とも振り返る、千葉にとっては見事な試合の入りであった。
前節は下位で苦戦する熊本とのホームゲームで悔しいドローを喫し(△2-2)、小林慶行監督は「これ以上何をすればいいかというところでは、作った決定機を決められないならさらに多くの決定機を作る以外にないし、そういうトライをチームとしてやっていく」と話していたなか、長崎戦のシュート本数は結果的に27本と12本と倍以上(枠内シュートは11本と3本)。あと一歩というチャンスも何度も作った。だが、モノにすることはできず。一方でM・ジェズスらキーマンの個の力を活かした長崎に好機をしっかり仕留められ0-2で痛すぎる敗戦を突き付けられたのだ。
「選手たちはしっかり戦ってくれました。結果を掴めなかったのは自分の責任。勝ちに持っていけない、アンラッキーな失点だったかもしれませんが(前半終了間際の1失点目は長崎のエジガル・ジュニオのクロスがネットに吸い込まれた)、それも含め...ですね。
強いて言うならば(72分の)2失点目。自分たちの原則を考えると改善しなくてはいけない。普段だったらやれるだろうと。でも、それ以外のところは選手はしっかりやってくれた。だからこそ勝ちに持っていけなかったのは自分の責任」
長崎戦後、そう悔いたのは小林監督だ。
指揮官も言葉にしたように、千葉の選手たちは今できる最大限のプレーをしたと言えるだろう。試合後にはサポーターたちから背中を押された光景が、この試合の内容を物語っていた。
だが、M・ジェズス、山口蛍、ディエゴ・ピトゥカらJ1でも十分に輝くであろうタレントたちを軸にした長崎に届かなかった。右SBで先発した髙橋壱晟も「優位に進めて、思い通りに前半を進めたなかで、個人のクオリティにやられてしまったかなと思います。アンラッキーな部分はあったかと思いますが、それすらなくすために僕らトレーニングをしていますし、チャンスも作ったなかで、決められなかった。それがすべてだと感じます」と語る。
自動昇格圏に肉薄する3位の千葉にとってホームで迎えた、2位の長崎との大一番。スタンドには大観衆が詰めかけ、選手たちも今季最高潮とも言えそうなモチベーションで試合に臨んだ。
序盤からインテンシティ高く相手を押し込み、攻撃時は4-4-2のサイドハーフ、イサカ・ゼイン、椿直起も高い位置をキープしながら4トップのような形で押し込んでいく。ボールを奪われた際の切り替え、球際の部分も意識は非常に高く、マテウス・ジェズスら強力なタレントを擁する長崎に対して勇気を持って前に出て、相手を"窒息"させるような、力強さを示してみせた。
敵将の高木琢也監督も「スタートは本来はもっといきたかったが、アウェーとジェフさんのパワーに屈してしまった」とも振り返る、千葉にとっては見事な試合の入りであった。
前節は下位で苦戦する熊本とのホームゲームで悔しいドローを喫し(△2-2)、小林慶行監督は「これ以上何をすればいいかというところでは、作った決定機を決められないならさらに多くの決定機を作る以外にないし、そういうトライをチームとしてやっていく」と話していたなか、長崎戦のシュート本数は結果的に27本と12本と倍以上(枠内シュートは11本と3本)。あと一歩というチャンスも何度も作った。だが、モノにすることはできず。一方でM・ジェズスらキーマンの個の力を活かした長崎に好機をしっかり仕留められ0-2で痛すぎる敗戦を突き付けられたのだ。
「選手たちはしっかり戦ってくれました。結果を掴めなかったのは自分の責任。勝ちに持っていけない、アンラッキーな失点だったかもしれませんが(前半終了間際の1失点目は長崎のエジガル・ジュニオのクロスがネットに吸い込まれた)、それも含め...ですね。
強いて言うならば(72分の)2失点目。自分たちの原則を考えると改善しなくてはいけない。普段だったらやれるだろうと。でも、それ以外のところは選手はしっかりやってくれた。だからこそ勝ちに持っていけなかったのは自分の責任」
長崎戦後、そう悔いたのは小林監督だ。
指揮官も言葉にしたように、千葉の選手たちは今できる最大限のプレーをしたと言えるだろう。試合後にはサポーターたちから背中を押された光景が、この試合の内容を物語っていた。
だが、M・ジェズス、山口蛍、ディエゴ・ピトゥカらJ1でも十分に輝くであろうタレントたちを軸にした長崎に届かなかった。右SBで先発した髙橋壱晟も「優位に進めて、思い通りに前半を進めたなかで、個人のクオリティにやられてしまったかなと思います。アンラッキーな部分はあったかと思いますが、それすらなくすために僕らトレーニングをしていますし、チャンスも作ったなかで、決められなかった。それがすべてだと感じます」と語る。
次戦は約2週間空いたのち、首位を走ってきた水戸とのアウェー戦になる(10月4日時点で長崎が暫定首位に浮上)。大一番と目していた長崎戦に敗れたあとだけに切り替えは難しいに違いない。指揮官に想いを聞けばこう吐露した。
「本当に立ち上がらないといけないと思います。自分たちはこの決戦にどれだけの想いを込めて、サポーターの方々もこれだけの雰囲気を作ってくれて、クラブとして持っている力をすべてぶつけていくというところに僕自身が発信し続けたなかで、サポーターの方々もしっかり応えてくれた。
その力を持ってぶつかったというところがあるなかで、今回、このような結果で、選手はもちろん、僕らコーチングスタッフ、僕自身を含めて大きな傷を負っています。正直キツイです。そういうところがあるからこそ、先のことは正直分からないです。今現状としては...。ただ、やらなくちゃいけないことは明確にある。立ち上がらなくてはいけない。それが試される一戦になるなというところまでは自分のなかで頭のなかで整理はできています」
ショックは大きい。それでも小林監督の言葉通り立ち上がるしかない。
残り6戦、千葉は3位のままだが、暫定で首位に浮上した長崎とは勝点4差になり、2位の水戸は明日、試合を控えている。シーズンの残り約2か月でチームが劇的に変わることは難しいが、ここまでくれば、積み重ねを信じ、己と向き合い、ベクトルを自分たちに向き続けるしかないのだろう。
サイドからの展開は今季の武器だが、単調になりがちな現状において、練習から一本のクロス、パス、シュートにどれだけこだわり、ここぞの質を高められるか。すべてをコントロールするのは難しいが、どれだけリスクマネジメントを徹底し、守備対応をやり続けられるか。
真面目な選手が多い今のチームにおいて、やれることはやっているのだろう。だが、長崎戦では足りなかった。
チーム在籍8年目の右SB髙橋も語った。
「残り3試合とか2試合ではないので、もちろん大一番でしたし、ここから自分たちの力だけで優勝、自動昇格にもっていくのは難しい状況になったと感じますが、勝ち続けることで希望が見えてくるはず。だからしっかり準備をするしかないと思います。
しっかり準備をし、個人個人がしっかり取り組めるチームだとは感じています。ただ、僕は個人的に改めてクオリティの部分をまた感じたので、個人的に取り組んでいきたいです。今日は勝負を決めるクオリティで負けたと思っているので、そこは一人ひとりが向き合い続けていくしかないと思います」
2010年からJ2を戦い始めて迎えている"J1復帰"への最大のチャンス。6位以内のプレーオフ進出ではなく、2位以内の自動昇格を勝ち取るために、ここが正念場である。長崎戦のショックを払拭し、立ち上がるしかない。今こそ覚悟が問われている。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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「本当に立ち上がらないといけないと思います。自分たちはこの決戦にどれだけの想いを込めて、サポーターの方々もこれだけの雰囲気を作ってくれて、クラブとして持っている力をすべてぶつけていくというところに僕自身が発信し続けたなかで、サポーターの方々もしっかり応えてくれた。
その力を持ってぶつかったというところがあるなかで、今回、このような結果で、選手はもちろん、僕らコーチングスタッフ、僕自身を含めて大きな傷を負っています。正直キツイです。そういうところがあるからこそ、先のことは正直分からないです。今現状としては...。ただ、やらなくちゃいけないことは明確にある。立ち上がらなくてはいけない。それが試される一戦になるなというところまでは自分のなかで頭のなかで整理はできています」
ショックは大きい。それでも小林監督の言葉通り立ち上がるしかない。
残り6戦、千葉は3位のままだが、暫定で首位に浮上した長崎とは勝点4差になり、2位の水戸は明日、試合を控えている。シーズンの残り約2か月でチームが劇的に変わることは難しいが、ここまでくれば、積み重ねを信じ、己と向き合い、ベクトルを自分たちに向き続けるしかないのだろう。
サイドからの展開は今季の武器だが、単調になりがちな現状において、練習から一本のクロス、パス、シュートにどれだけこだわり、ここぞの質を高められるか。すべてをコントロールするのは難しいが、どれだけリスクマネジメントを徹底し、守備対応をやり続けられるか。
真面目な選手が多い今のチームにおいて、やれることはやっているのだろう。だが、長崎戦では足りなかった。
チーム在籍8年目の右SB髙橋も語った。
「残り3試合とか2試合ではないので、もちろん大一番でしたし、ここから自分たちの力だけで優勝、自動昇格にもっていくのは難しい状況になったと感じますが、勝ち続けることで希望が見えてくるはず。だからしっかり準備をするしかないと思います。
しっかり準備をし、個人個人がしっかり取り組めるチームだとは感じています。ただ、僕は個人的に改めてクオリティの部分をまた感じたので、個人的に取り組んでいきたいです。今日は勝負を決めるクオリティで負けたと思っているので、そこは一人ひとりが向き合い続けていくしかないと思います」
2010年からJ2を戦い始めて迎えている"J1復帰"への最大のチャンス。6位以内のプレーオフ進出ではなく、2位以内の自動昇格を勝ち取るために、ここが正念場である。長崎戦のショックを払拭し、立ち上がるしかない。今こそ覚悟が問われている。
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